至近距離恋愛 -Hero-
それって、終わってすぐに言う事なん……?


正直、そう思った。


久しぶりに会って、ホテルに入って、あたしを抱いて…。


その後は、余韻も無いままお金の話。


すごく寂しかった。


あたしは、稔の機嫌を損ねないように控えめに口を開いた。


「あたしも金欠やもん……」


「バイト代は?」


「先月入った分のほとんどは、稔に貸したやん……」


あたしが俯きながら答えると、稔はタバコを取り出して火を点けた。


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