至近距離恋愛 -Hero-
「どこ行くん!?」
バイクの後ろに乗っているあたしは、前で運転している雷のヘルメットに自分のヘルメットを軽くぶつけて訊いた。
「イイとこ♪」
彼は振り向かずに、弾んだ声で答えた。
「だから、どこ?」
再び尋ねたあたしの声は、風を切って走るバイクのエンジン音に掻き消されてしまったみたい。
雷は、何も答えずに運転を続けた。
仕方なく、あたしは彼の背中にギュッとしがみついたまま、目的地に着くのを待っていた。
バイクの後ろに乗っているあたしは、前で運転している雷のヘルメットに自分のヘルメットを軽くぶつけて訊いた。
「イイとこ♪」
彼は振り向かずに、弾んだ声で答えた。
「だから、どこ?」
再び尋ねたあたしの声は、風を切って走るバイクのエンジン音に掻き消されてしまったみたい。
雷は、何も答えずに運転を続けた。
仕方なく、あたしは彼の背中にギュッとしがみついたまま、目的地に着くのを待っていた。