至近距離恋愛 -Hero-
きっと雷は、あたしなんかよりもずっと傷付いている。


傷付けたのは、自分(アタシ)。


だけど、素直に謝る事が出来なかった。


「な、んで……?何で、今更そんな事言うんっ……?」


震える声で訊いたあたしに、雷が悲しげに眉を寄せる。


「ごめん……」


「今言うなんてずるいやんっ!!あたしが告った時、あたしの事なんか『何とも思ってへん』って言って振ったくせに!今更、そんなん言わんといてよっ!!」


息継ぎもせずに怒鳴ったあたしの瞳から、また涙が零れ落ちた。


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