Virgin Snow
少しだけ戸惑いながら振り返ると、あたしの腕を掴んだ男の子がニッコリと笑った。


「樹里ちゃん!もうちょっと話そうよ♪イヴに一人って、マジ寂しいじゃん?」


チャラそうな言葉遣いに、思わず身構えてしまったけど…


やっぱり一人になりたくなかったあたしは、小さく頷いて椅子に座った。


イヴに……


“嵐との記念日”に、一人になりたくない……


あたしの様子を見ていた男の子は、ニコッと笑って自己紹介をしてくれた。


「俺、高志(タカシ)ね!よろしく♪」


小さく笑みを浮かべてから、真由美を見た。


なるほどね……


真由美はお目当てらしい男の子と、楽しそうに話している。


あたしは深いため息を吐いて、携帯を開いた。


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