Virgin Snow
ゆっくりとリボンを解いて箱を開けると、ネックレスが入っていた。


「綺麗……」


それはシルバープレートのネックレスだけど、真ん中が少しだけへこんでいる。


その不思議な形に見入っていると、嵐が自分のネックレスを外して二つを並べた。


「ハート……」


二つのネックレスを合わせると、綺麗なハート型になった。


「うん、俺と樹里のお揃い」


嵐は自分のネックレスを着けて、優しい眼差しであたしを見つめた。


そしてあたしにそっとネックレスを着け、髪を優しく撫でた。


「ごめんな……」


どうして嵐が謝るの……?


嵐の言葉に目を見開いたあたしは、ただ彼を見つめる事しか出来なかった。


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