Virgin Snow
「樹里……。愛してる……」


あたしの耳元で響く、甘くて優しい嵐の声。


あたしは嵐にギュッと抱き着いて、彼の胸に顔を埋めた。


「嵐……。あたしも……愛してる……」


震える声を絞り出した、精一杯のあたしの愛。


「知ってる♪」


嵐の声を聞いただけでわかる。


きっと今、悪戯っぽく笑いながら、照れてるんだよね……?


あたしは、そんな嵐がすごく好きなんだよ……


悔しいけど、あたしには嵐以外ありえない。


嵐もあたしだけ、って信じてみてもイイかな……?


あたしは嵐の背中に回した腕の力を、少しだけ強くしてみた。


すると、彼はそれに応えるように、あたしを強く抱き締めてくれた。


答えは……


“YES”だよね……?


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