手を繋いで…

母ちゃんとの出会い

『オカン 連れて来たで〜』

『あっ ちょっと待ってて。今 ロット巻いてる途中やから 手離されへんねん』
『先生…用事?真クン 連れて来たでて…彼女 連れてきたんかぃなぁ』
『珍しいことに 紹介してくれる言いますねん』

お客様と真のお母さんの会話が聞こえてくる。

ドキドキするなぁ
気に入ってもらえるやろか
『美奈子、美奈子…』
『へっ?何?』
『お前 カタマってるやん。普段のままでえんや。緊張するよな親やないから』

そやかて……

改まって こんなん
初めてやし 逃げて帰りたい…

ほんの5分の時間が
長く長く感じた。


『お待たせ〜。』

母ちゃんと初めての対面。
『はじめまして。三木 美奈子ていいます。M高校の1年です。』
『よう 真から聞いてるで。美奈子チャン ごめんな この子 私が甘やかして育てたんが悪かったんか 自分が欲しいてなったら どんな手つこても 手に入れるねん。美奈子チャンに声かけたんも 最初から 真 気に入ってたんやな。恐かったんちゃうか?こんな悪ガキに声かけられて。』

『そんなことないです。
うち…気だけが強くて 女らしいないから エヘヘ』

『何にもようせんけど ゆっくりしていきや。オバチャン店戻るけど 帰り 店寄ってな』

それが 母ちゃんと交わしたはじめての会話やった…

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