ゴーストオブアイデンティティー
「解るか?」

「ええ、とっても」


近寄りたくない。何故だろう。桐は闇風に近寄りたくないとだけ思った。

恐らく、本能的に嗅ぎ付ける、危険のせい。


解る。

座敷家特有の重圧感に加えて、粘質を持つ「澱んだ」空気。

幼い感じながらも、どこか妖しく妖艶。淫靡に乱れる空気。


幸福でなくても一目で解る。


――――――アブナイ

何かが一桁ずれている。
世界が微妙にずれている。

生まれてくる世界を間違えた、異質。

数百年前の人々が魔女を信じたのは、この様な感覚を味わったからだろう。

受け入れるの是非を問われれば、嫌が応にも非。「不可」を口にするだろう。


身体が、自然と後退する。


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