ゴーストオブアイデンティティー
その闇風はレンズの中で、泣いていた。

幼い。年相応の涙。

邪気の無い、寂しいそうな泣き顔。

意外な一面を、ヤナセは見た気がした。


釘付けにされる。

が、ヤナセは後悔した。







そんな悠長にしていられる相手ではなかったのだ。



レンズ越しの闇風が天に向かって何かを呟き、







ヤナセ達の居る方向に、親指を下に突きだし握る――いわゆるHELLの形の手を、向けた。


・・・
ぞわり

毛穴という毛穴から一気に冷汗が吹き出る。


闇風が顔を向けた。

何か言った。

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