ゴーストオブアイデンティティー
勿論、声など聞こえない。

だが解ってしまった。

唇の動きを読み取る。


ゆ…る…さ…な…い



――ゆるさない――


「――――!?」

心臓を鷲掴みされた。
命を、摘みとられる。

足が、本能的に下がる。

一歩。また、一歩。

じりじりと、追いやられていくようで。


「…ヤヨ」

「なんですか?」

「見つかった…闇風に」


ヤヨの対応は迅速だった。

「ヤナセ急いで!!」


声を張り上げるや否や、壊れかけのガットリング砲の弾層を素早くリロード、そして使用をしていなかった、自動照準機能を起動させる。

それが終わると、運んできた武器の中から迷わず四連式対戦車砲――ロケットランチャーを引っ張り出し、病院に照準を合わせた。


「足止めは私が!!早く退却をして下さい!!」


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