ゴーストオブアイデンティティー
生きているのが不思議な位の、惨状。

傷口を火で焼き、出血を抑えてはいるが、最早、意味は無い。


「私………………………………………………………シヌの?」

嫌だなと、思った。


そんなの、幸せじゃ、ない。


幸せを、口になんかしてはいけない人間なのは、分かる。

でも、幸せに、なりたいというのは、誰でも、思う事なんだ。


「ヤナセ…………」

ヤナセの顔が、浮かぶ。


仏頂面で、いつも眉を寄せて。険しい表情。

「で…もそん…なあなた…は、ひたすら………優しいんで…すよね?」

三年間。

ヤナセと、過ごした日々。

詳しく言えば、ヤナセと二人きりで、過ごした日々。


なんて、贅沢な日々だったろう 。

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