ゴーストオブアイデンティティー
ほんの些細な、闇風の限界。
何も出来ない訳ではないが、全てが出来る訳でもない。


下らない、我が渇望…


PCの、電子音。

「…また、LOSTね」

キーボードを消し、PCに全てを任せた。
闇風が作成したPCだ。ちょっとやそっとでやられる心配は無い。


宙に漂いながら、闇風はため息をつく。
世界は暗い。昼間なので、遮光しなければ目にダメージを受ける。今見えているのは、辺り一面を黒に覆われ、唯一不気味な橙色の太陽が揺らぐ、見ることを「許された」世界だ。


喜ぶべき事なのだろう。
全盲であり、本来なら一筋の光さえ通さない闇風の目が、見えているのだから。

薄暗い世界だ。自分の手すら見えない危ういものだが。確実な世界だ。幸福が与えてくれた。光を。






しかし。なんとも虚しい。
< 369 / 503 >

この作品をシェア

pagetop