『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
新道『だがその時の私は咲の“死”を受け入れる事が出来ず、咄嗟に、“咲はまだ助かる”その一心で、急いで咲を抱いて宇宙船に戻った。そして、地球から去る事にした。咲の亡きがらと共に…』


宇宙船は何とか、地球から脱出できた。そして、宇宙船の中では、新道が咲の遺体を何度も抱きしめながら涙を流していた。



新道『私は、段々冷たくなっていく咲に触れて、咲の死を改めて悟っり…そこから火星に着くまでの記憶はほとんど無い…ただ気が付くと、火星に到着していた。』


宇宙船が火星に着いた。
火星には研究施設が一つ建っているだけで、辛うじて生き延びられる程度の物しか揃ってはいなかった。


新道が咲の亡きがらを研究施設に運び込むと、その咲の遺体から咲の血液を採取していた。



新道[昔]『咲…平和な時代を取り戻したら、必ずまた蘇らすから…それまで、待っててくれ…』


新道『当時の私は火星の研究だけでなく、“生命の研究”もしていた。』



新道『滝沢君、君は生まれ変わりを信じるかね?』


滝沢『生まれ変わり?』


新道『しかしながら、私が研究した結果、人は、死んだら、“生まれ変われはしない”んだよ…』


新道『更に、魂も、人間の中には存在しない。』


新道『当時の常識としては、“生まれ変わり”とは、死んだ人間の“魂”が違う人の中に入り、一から人生をスタートすることを指す。しかし、私の研究で明かになったのは人の中には“魂”など存在しないっと言う結果だった…』


新道『しかし、生まれ変わりは叶わないが、“物理的に生き返らせる”のは当時の私には出来た。』
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