『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
滝沢『物理的に生き返らせる?』


新道『そうだ』


新道『君達も聞いた事くらいは有るだろう?“クローン技術”を』


新道『私は、人の魂の存在は無いと思うが、“魂”と呼ばれる物の正体を知っている。』


滝沢(魂の正体?)


茂『読めたぜオッサンの言いたい事が』


茂『オッサンの言う“魂の正体”とは、記憶そのものだろ?』


新道『近いが、少し違うな。』


茂(ん?)


新道『正確に言うと、“記憶”とは人の中の“脳”に有る電気信号なのだよ…その人個人個人が目で見た物や耳で聞いた事を、直接脳に、微量な電気信号として脳に送り込み、それを“経験”と言う。そして、その経験の積み重ねが、“記憶”だ』


新道『そうですよね?脳外科医の綾涙雪華先生…』


雪華『えぇ』


新道『その積み重ねの記憶コソが、個人の人の性格の形を造る、そして、性格とは“考え方”そのものと言っても、過言ではない。何かに悩まされた経験、虐められたりした経験、それは“記憶”となり、その記憶が原因で内気な性格や、極度の人見知り、精神に異常を来たし、“トラウマ”っとなることもある。』


新道『そうだね?心理カウンセラーの綾涙リン先生?』


リン『確かにそうかも知れないけど、それを乗り越えている人だって何人も私は診てきたわ』


新道『だが、“人”と言うのは怖い物でねぇ、例えば、昔虐められた子が、今度は虐める側になる子も少なくは無い。それは、そうしないと、また自分がやられるかも知れないっと思うからだ、それじゃあ何にも克服した事にはならない。』


新道『そして、人間は欲深さも兼ね備えている。』


新道『“他者より強く”』

新道『“他者より偉く”』

新道『“他者よりも”“他者よりも”っと』



新道『人とは、その欲のお陰で、化学の進化を遂げてきた、“より便利に”“より住みやすく”“より売れるものを”とね…しかし、その欲の為に、他人を傷付ける事だって少なくは無い』


新道『だから私は考えた、この世から“争いを無くす”方法をそして、争いが無くなった、平和な世界で咲を蘇らそうと』
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