メモリー
『うわー!!すごーい!!』
電車に揉まれて30分。
あたしは感嘆の声を上げていた。
着いたのは、これぞデートの定番、遊園地。
「どう??遊園地。」
『嬉しい。あたし遊園地に一回言ってみたかったんだ!!』
あたしは率直な感想を述べる。
すると隼人は驚いた顔をした。
「一回もきたことないの??」
…そっか。
普通の人は、遊園地ぐらい行ったことあるもんね。
『…ホラ、あたし小さいころから病気持ちでさ。
遊園地とか行かせてもらえなかったんだぁ。』
別に意識したわけではなかったんだけど…。
言ってて、はっとした。
せっかくのデートなのに、あたし何喋ってるんだろ…。