メモリー


「よし。じゃあいくか。」



そう言って、隼人は右手をあたしに向かって差し出した。



「ホレ。」


隼人はあたしと反対方向を向きながら、手をブラブラさせてる。


どうやら「手をにぎれ」って言ってるみたい。


きっと…、そっぽを向いてるのは、照れてるからかな。


そういう所が本当に愛しい。



…ギュッ。


あたしは隼人の手を思いっきり強く握る。


隼人の温もりが感じられて、なんだか安心できた。



そして、あたしたちはしっかりと手を握りながら、遊園地の中を歩きだしたのだった。



< 128 / 339 >

この作品をシェア

pagetop