メモリー
「よし。じゃあいくか。」
そう言って、隼人は右手をあたしに向かって差し出した。
「ホレ。」
隼人はあたしと反対方向を向きながら、手をブラブラさせてる。
どうやら「手をにぎれ」って言ってるみたい。
きっと…、そっぽを向いてるのは、照れてるからかな。
そういう所が本当に愛しい。
…ギュッ。
あたしは隼人の手を思いっきり強く握る。
隼人の温もりが感じられて、なんだか安心できた。
そして、あたしたちはしっかりと手を握りながら、遊園地の中を歩きだしたのだった。