メモリー



『ねぇ、隼人。あれ乗りたい!!』


遊園地の中を歩いてから、すぐにあたしが指を指したのは、メリーゴーランド。


馬車とかリボンとか乙女チックで、女の子の夢の塊。


それを見たとたん、隼人は露骨に嫌な顔をした。



「メリーゴーランドって…。
そんな乙女チックなもん乗ってられるか。」



あたしの提案はあっけなく、振り落とされる。



くそぉー。

でもあたしは、めげないもんね!!



『えぇー!!メリーゴーランドに絶対乗らなきゃ嫌!!』


だだをこねるあたし。



「…そんなに乗りたいなら1人で乗れよ…」



そんなあたしに、隼人は呆れたような表情を見せた。



…うーん。そう来たか。


だったら…


あたしは繋いだ手を離すと、思いっきり隼人の腕に抱きついた。



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