メモリー

「せっかくの県大会だが…、笑ちゃんの体的も辞めといた方がいいと思うんだ。」


先生の言葉で、あたしは全てがわかってしまった。



…そっか。

あたしはいつの間にか、走るのでさえ危険な体になっていたんだな。



「今ガマンすれば、治るから…。な??」


嘘つき…。


さっき治らないって言ってたくせに…。


全て知ってるあたしには、先生の言葉は皮肉にしか聞こえない。



二人はきっと…、あたしには言わないつもりなんだ…。



…それだったら、あたしは二人の嘘に騙されよう。




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