僕等がみた空の色
第13楽章 共鳴するとき。





その声も幻だと思った。


「六花っ!!」


ひときわ大きい声にやっと目が覚めた。


目の前には見慣れた、自分の部屋の天井。

そしてこの部屋では見慣れない人。



「らん……?」



ぼーっとする頭を無理矢理たたき起こして名前を呼んだ。


すると藍は明らかにほっとした様子で微笑んだ。



「よかった、うなされてたから。何回呼んでも起きないし…。」


「あたし、何日こうしてた?」


起き上がろうとすると、藍が手伝ってくれた。


「学校休んだのは今日で二日目。六花のお母さん、いなかったんだけど玄関開いてたから入った。」



入った、て。

働かない頭がさらに痛む。



二日も……。



うなされてた、て聞いて、大量に汗をかいてることに気づいた。


あれは、涙じゃなかった。


もう落ち込むことさえめんどくさかった。

頬に張り付く髪を払って、藍に着替えを取ってくれと頼んだ。


ママがドアの近くに用意してくれてたからクローゼットを物色されずにすんだ。



「ん。」


差し出された着替えをお礼を言って受け取った。








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