僕等がみた空の色





藍が再びあたしの横に座り込む動作をじっと眺めた。


「え、何?」


それに気づいた藍が首を傾げる。


なに、て……。


「あの、ね?」


「うん。」


「ちょっと出てってくれる?」


「…せっかく来たのに。」


ほんとに分かってない。


「じゃなくて、着替えるから、少し部屋の外で待っててよ。」


それとも、見たいの?


真顔でそう尋ねると、一拍おいて藍の顔が真っ赤になった。


「そっ、そーゆことなら早く言えよっっ!!」


「いや、フツー気づくでしょ。」


あたしの言葉は多分聞こえてない。

捨て台詞のように言った後、慌てて出ていったから。






< 116 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop