僕等がみた空の色
「…六花、なんかあった?」
ドアの外から藍が声をかけてきた。
くぐもってよく分からないけど、相当心配してるはず。
「…うん、いろいろね。」
パジャマを脱ぎすて、まだ柔軟剤の香りが残るスウェットに袖を通した。
「夢、見たの。長い悪夢、……中学生のときの。」
「平気…?」
「……あんまり。」
なんてね、て続けようとしたとき、藍がドアを開けて部屋に入ってきた。
「ちょ……っ!?」
着替えがちょうど終わったところだったからよかったけど、最中だったらどうすんのよ!!
そんな文句も言えずに、気づけばあたしは藍に抱きしめられてた。
「ら、ん。」
思いの外強い力で抱きしめられ、声がすんなり出てこない。
すると、より一層ギュッと抱きしめられた。
「ごめん、守ってあげらんなかった。」
あまりにも苦しそうに呟くので、文句を言うこともからかうこともできなかった。