僕等がみた空の色








「私はずっと間宮くんだと思ってたんだけど…さっきの話聞いて、納得した。私、高校入ってすぐに結城くんが間宮くんだって分かったんだけど、言わないでって言われてて」



理由はちゃんと聞いてなかったけど、と続ける汐。


「ほら、私、六花ちゃんに何度も、結城くんに会ったことないかって聞いたでしょ?」



そう言われて、入学したばかりのときをぼんやりと思い出す。


必死で尋ねる汐に、知らない、しか返さないあたし。
合点がいかない顔つきだった汐も、いつしか尋ねることをやめていた。



じゃあ、ほんとに最初から、汐は知ってたの?


「それで、六花ちゃんはあの時期の記憶が断片的になくなってるんだって分かって……」


今度は汐が泣きそうになりながら必死にあたしに真実を伝えてくれようとしていた。



「結城くんに、六花ちゃんが思い出すまで言わないでって言われて、ごめんね、六花ちゃんのこと、傷つけないでって言ったのに」



なんかもう支離滅裂になってしまっている。
それがなんだか可笑しくて、涙はすっかり引っ込んだ。



「汐、もういいよ」


あたしの肩を掴んだままの腕を揺さぶって落ち着かせようとするけど、汐は首を横に振ってやめようとしない。

きっと、あたしが泣いたのが、それなりに衝撃的だったのかもしれない。

汐が最後に見たあたしの泣き顔は、アオの事故のとき以来だから。









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