僕等がみた空の色








「そう…、覚えてないのね」



事故の辺りがね、と付け加えると、より一層ママは表情を暗くした。

その気持ちは手に取るように分かる。




いっそ事故のことも忘れられたらよかったのに、って。






思い出したいことはきれいに忘れてしまい、事故のことは嫌になるくらい覚えている。


忘れてしまうことさえできないくらい、それはあたしに深く深く傷をつけた。




でも不自然な記憶は必ずいつかはどこかで破綻するだろうし、そのときの苦しみは今よりもひどいかもしれない。


今も色々つらいけど、そのほうがよかったとは思わないんだ。

きっと、じゃないと、藍と出会えなかったかもしれないから。



大丈夫だよ、という意味も込めて笑ってみせると、ママは納得いかないながらもなんとか分かってくれたのか困ったように微笑み返してくれた。




「他に、なにかない?」



ええー?と空を見上げながら考え込んでくれているが、ママからはこれ以上のことは得られないだろうと諦めかけたとき。








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