僕等がみた空の色
「あぁ、えっとね、なんだっけ、あれ」
手を上下にぶんぶんと振って、懸命に思い出そうとしているが、中々その先が続かない。
「なに、なんなの?」
あたしも胸をドキドキさせながら前のめりになって尋ねる。
「なんかね、聞こえてくる曲がいつも一緒だったのよ。なんだっけなぁ、あの曲」
いつも弾いてた、曲?
もしかして、とぐるぐる考えていたら、ママが手探りで鼻歌を歌い出した。
「こんな感じのやつ。なんだっけ、知ってるんだけど」
その断片的なメロディーは、あたしが知っているものと酷似していて。
もう年かなぁと嘆いているママを置いて、自分の部屋に駆け込み、先日買った楽譜を手にまた戻る。
それは、もうちょっとピアノが弾けるようになってからと取っておいた、藍の家からの帰り道に買ったものだ。
もしかして、もしかして。
気持ちが急いてたまらない。