僕等がみた空の色
本当は分かってる。
誰のせいでも何のせいでもなくて。
あたしのせい。
罪の刻印は、一生消えない。
「だってアオはもういない……」
涙の代わりに言葉をこぼす。
アオ、どうすればいいの?
あたし、どうしたら、あの頃にもどれる?
そのとき、投げ出されたままだったかばんからプルルル…、と聞こえてきた。
元々ケータイに内蔵されていた素っ気ない電話のコール音が部屋に響く。
手をのばしてかばんを引き寄せ、ケータイを取り出して画面で発信源を確認する。
『神崎 汐』
思わず、応答しようとしてボタンを押そうとした。
でも、出れない。
申し訳ないのと体がだるいのとでどうしても指がボタンを押してくれない。
しばらくするとけたたましいコール音もやんだ。
ゴメン、しお、せっかくの誕生日なのに……。
口を開けば、見え見えの強がりと謝罪しか出てこないと分かっているから、メールを打つことにした。
ボタンひとつ押すのに苦労し、完成するのにも長い時間がかかった。
その間にも汐はかけ直したりしてこなかった。
また、気を遣わせてしまったことに落胆する。
汐には、笑っていてほしいのに、それさえもあたしが妨げてしまっている。