粉雪のマジック
この前友達がこっそり教えてくれた。

あいつがあたしの好みを聞いてきたって。


『どうして、ネックレスなの?』

と聞くと、

『毎日身に付けられるし、俺の物って分かるだろ?』

一部俺様発言が入ってたけど、今日は気にしないでおこう。

確かにネックレスのチェーンにはあたしが好きな星と音符とハート。


それがまた泣けてきた。

『……ありがと。』

『ほら?付けてやる。』

………ホントに今日は優しい。

それは過去のあたしに対する罪悪感?

……そんな事、思いたくもない。

だからあたしはただ、

そっとあいつに首元を向けた。


チリン

重なり合った音。


『………キレイ。』

一つ一つが、重なり合って光る。

『…………。』

そしてあいつは、









『Merry Christmas。』

そう言って甘いキスをした。


あたしの唇をいたわるかのように優しいキス。

そんな行為に、


『発音、頑張ったね。』

いつもの強がりしか言えなかった。


『……ホントだよ。毎日同じ言葉ばっか聞いて練習したんだからな!!』

とふてくされるあいつ。

『ちょうどいいじゃない!!

あんた、英語苦手なんだから。』

と頬を人差し指で一押し。


< 17 / 18 >

この作品をシェア

pagetop