Devil†Story
倉庫に入った瞬間…
ーーゾクッ
「「!」」
非常に強い殺気を感じた。まるで突然冷凍庫に入れられたような冷たい殺気が充満していたのだ。
「空気が冷たい…。麗弥、無事で居てよ」
稀琉が呟く。この仕事をしていれば人間かどうかは分からなくとも殺気や気配を感じられる様になる。でなければ、こっちが殺られる。と言っても…この殺気は人間なんかの殺気じゃないが。なるほどな…。この位強い殺気がすりゃカラスもあんだけビビる訳だな。それに加えてロスにバレねぇように、ここに女が術を掛けてたって訳か。用意周到な事だ。慎重に中に入って行くと広い空間に出た。何も無いかに思われたが、奥の壁に磔(はりつけ)られいる人物が居た。
「あれって……」
稀琉が目を凝らしてその人物を見る。ボロボロになっているが見覚えのあるシルエットに稀琉が一足先に気付いた。
「麗弥!」
そこに磔られて居たのは紛れもなく麗弥だった。稀琉の声にピクッと反応した麗弥は顔を上げた。
「…稀琉?」
「良かった!無事だったんだねっ!」
俺と稀琉は麗弥に近付いた。少し痩せているが5体満足であった。俺等が近付くと麗弥の馬鹿は涙目になっていた。
「稀琉〜!来てくれたんー?!ホンマどうしようかと思ったわ〜!!」
「良かった!迎えに来たよ!」
「…って凄い血塗れなんやけど」
「あぁこれ?気にしないで!」
麗弥が血塗れの稀琉を見て唖然としていたが、稀琉はニコリと笑顔で返していた。…少し黒い笑みだったので麗弥はそれ以上聞くのを控えた。ふと後ろを見るとクロムが腕を組んで立ってるのに気付いた。
「…あっ!クロムもおるやん!クロムも助けに来てくれたん?」
「おおきに〜」と呑気に笑う麗弥に軽く殺意を覚える。
「なーにがおおきにだ!捕まってんじゃねぇぞ!馬鹿が!!てめぇのせいでこっちは散々な目に合ったんだよ!」
俺はそう怒鳴った。こいつが捕まったせいで、何日も探すハメになったんだ。そのせいで稀琉にケーキを口ん中に突っ込まれたり、食堂に付き合わされたり、蜘蛛女と戦わせられたり散々な目に遭った。
「ごめんて!悪かったって〜」
見ると麗弥は頭からは血を流しており、体中も切られている様だが命に別状はなさそうだ。何よりこの元気だ。それでも、1日以上磔られていたのならそれなりに体力はなくなっているだろうが。なら…。
「ったく…面倒かけやがって!」
俺は右手でこの馬鹿の頭を殴りつけた。
「ったぁ!ちょい手加減してぇや!俺、怪我してねんよ!?」
「うるせぇ!てめぇに会ったら殴るって決めてたんだよ!」
「酷い!」
「ちょっとクロムその辺にしてあげて。怪我してるんだから。今、鎖を切るね」
シュル…
稀琉がワイヤーを伸ばし鞭の様に降った。
ガチャン!
見事手につけられていた手錠だけが壊れ、麗弥は自由になった。
「あー自由って最高やー!それにしても体中痛いわー」
肩を回しながら麗弥は言った。身体機能的には問題は無さそうだ。
「てめぇが油断してるのが悪いんだろ。馬鹿が」
「やっぱり…?っ…」
笑って返していた麗弥だったがふらりとよろけてしまった。
「麗弥!」
すぐさま稀琉が麗弥を抱えて肩を貸していた。
「いや、結構しぼられたからさ…。そのダメージがなぁ…」
力なく笑いながら麗弥は言った。見た目ではあまり分からないが、あちこちから出血しているのを見るに貧血気味になっているのだろう。しぼられていたと言う事はきっと拷問まがいの事をされていたに違いない。
「…で?なんで間抜けに捕まるハメになったんだ?」
「それなんやけど……あっ、ちょっと待って…頭がフラフラして整理出来へん…」
貧血で目眩がしてるのだろう。軽く頭を振っている麗弥の様子を見た稀琉は慌てて止める。
「クロム、ストップ。それは帰ってから聞こう。とにかく麗弥もこの状態だし、見張りも居ないから今の内に一旦戻ろ―…」
稀琉が体制を整え歩き出そうとしたその瞬間――
「!」
上からの殺気が強まったのを感じた。
「何処行くのかな?眼帯くん」
「「!」」
その殺気が強まるのと同時に上から声が聞こえてきた。
ーーゾクッ
「「!」」
非常に強い殺気を感じた。まるで突然冷凍庫に入れられたような冷たい殺気が充満していたのだ。
「空気が冷たい…。麗弥、無事で居てよ」
稀琉が呟く。この仕事をしていれば人間かどうかは分からなくとも殺気や気配を感じられる様になる。でなければ、こっちが殺られる。と言っても…この殺気は人間なんかの殺気じゃないが。なるほどな…。この位強い殺気がすりゃカラスもあんだけビビる訳だな。それに加えてロスにバレねぇように、ここに女が術を掛けてたって訳か。用意周到な事だ。慎重に中に入って行くと広い空間に出た。何も無いかに思われたが、奥の壁に磔(はりつけ)られいる人物が居た。
「あれって……」
稀琉が目を凝らしてその人物を見る。ボロボロになっているが見覚えのあるシルエットに稀琉が一足先に気付いた。
「麗弥!」
そこに磔られて居たのは紛れもなく麗弥だった。稀琉の声にピクッと反応した麗弥は顔を上げた。
「…稀琉?」
「良かった!無事だったんだねっ!」
俺と稀琉は麗弥に近付いた。少し痩せているが5体満足であった。俺等が近付くと麗弥の馬鹿は涙目になっていた。
「稀琉〜!来てくれたんー?!ホンマどうしようかと思ったわ〜!!」
「良かった!迎えに来たよ!」
「…って凄い血塗れなんやけど」
「あぁこれ?気にしないで!」
麗弥が血塗れの稀琉を見て唖然としていたが、稀琉はニコリと笑顔で返していた。…少し黒い笑みだったので麗弥はそれ以上聞くのを控えた。ふと後ろを見るとクロムが腕を組んで立ってるのに気付いた。
「…あっ!クロムもおるやん!クロムも助けに来てくれたん?」
「おおきに〜」と呑気に笑う麗弥に軽く殺意を覚える。
「なーにがおおきにだ!捕まってんじゃねぇぞ!馬鹿が!!てめぇのせいでこっちは散々な目に合ったんだよ!」
俺はそう怒鳴った。こいつが捕まったせいで、何日も探すハメになったんだ。そのせいで稀琉にケーキを口ん中に突っ込まれたり、食堂に付き合わされたり、蜘蛛女と戦わせられたり散々な目に遭った。
「ごめんて!悪かったって〜」
見ると麗弥は頭からは血を流しており、体中も切られている様だが命に別状はなさそうだ。何よりこの元気だ。それでも、1日以上磔られていたのならそれなりに体力はなくなっているだろうが。なら…。
「ったく…面倒かけやがって!」
俺は右手でこの馬鹿の頭を殴りつけた。
「ったぁ!ちょい手加減してぇや!俺、怪我してねんよ!?」
「うるせぇ!てめぇに会ったら殴るって決めてたんだよ!」
「酷い!」
「ちょっとクロムその辺にしてあげて。怪我してるんだから。今、鎖を切るね」
シュル…
稀琉がワイヤーを伸ばし鞭の様に降った。
ガチャン!
見事手につけられていた手錠だけが壊れ、麗弥は自由になった。
「あー自由って最高やー!それにしても体中痛いわー」
肩を回しながら麗弥は言った。身体機能的には問題は無さそうだ。
「てめぇが油断してるのが悪いんだろ。馬鹿が」
「やっぱり…?っ…」
笑って返していた麗弥だったがふらりとよろけてしまった。
「麗弥!」
すぐさま稀琉が麗弥を抱えて肩を貸していた。
「いや、結構しぼられたからさ…。そのダメージがなぁ…」
力なく笑いながら麗弥は言った。見た目ではあまり分からないが、あちこちから出血しているのを見るに貧血気味になっているのだろう。しぼられていたと言う事はきっと拷問まがいの事をされていたに違いない。
「…で?なんで間抜けに捕まるハメになったんだ?」
「それなんやけど……あっ、ちょっと待って…頭がフラフラして整理出来へん…」
貧血で目眩がしてるのだろう。軽く頭を振っている麗弥の様子を見た稀琉は慌てて止める。
「クロム、ストップ。それは帰ってから聞こう。とにかく麗弥もこの状態だし、見張りも居ないから今の内に一旦戻ろ―…」
稀琉が体制を整え歩き出そうとしたその瞬間――
「!」
上からの殺気が強まったのを感じた。
「何処行くのかな?眼帯くん」
「「!」」
その殺気が強まるのと同時に上から声が聞こえてきた。