Devil†Story
「君は神なのか!?本当に…感謝しかないよ!ありがとね!君は人間だけど少しランクを上げさせてもらうよ!」
個包装のデザインを見てから袋から飴を取り出した。
「わー…思った通りの綺麗さ!暫く食べられないと諦めてたから本当に嬉しいよ!」
うっとりと飴を見つめた後にようやく口に放り込んだ。…ロスといい本当に魔物ってのはこんな抜けてる奴ばっかなのか。大体敵から貰ったもん平気で口の中に入れるか?人間相手だからと警戒心なさ過ぎやしねぇか。先日同じような事で輝太に言った事を思い出した。
「…毒入ってんじゃねぇかとか考えねぇのか?」
「んー?君のタイプ的にそんな汚い手は使わないでしょー。匂いも嗅いだけど毒の匂いなんてしないし!…まぁ君達が用意できる毒で俺にダメージ与えられるのは1つしかないからねー」
…なるほど。食ったところでなんて事ないから警戒もクソもねぇのか。人間以外は猛毒になるカカオを俺らが食ってるみたいなもんか。にしても…。
「うーんこの味の深み!やっぱりパラレルのお菓子は最高だな〜♪」
ご機嫌でそれを食べる奴に俺は「…アンタ、本当は人間じゃねぇの?」と言った。
「いやぁ、中々今の組織に居ると“狩り”が出来ないからさぁ…。糖分で栄養を補わないといけないんだよねぇ」
奴は溜め息をつきながら言った。こいつらはあまり自由が取れない組織にいんのか。そもそもここ(人間界)じゃ、大っぴらにやんのは無理なのかもしれねぇが。でも確か最近血が抜かれた死体がどうのこうのって刹那言ってなかったか?
「麗弥の馬鹿を拉致った時に宗教団体の奴食ってなかったか?それに最近血が抜かれた死体がゴロゴロ発見されてただろ?俺等の同業者の。それなのに足りねぇのかよ」
「あーあれね。君達が釣れるのを待ってる間すこーし味見しただけだよ。…もれなく全員不味かったから腹いせに血液ぜーんぶ抜いてやったけど。宗教の奴は論外だね!あいつは俺の駒だったんだけど、不要になったし役立たずだったから殺したんだよ。その時飲んだんだけどあいつ薬やってたからさ。不味くて食べられたもんじゃなかったんだよ。…まあ?あいつのお陰で君達の情報が得られたからそこだけは役に立ったかな」
飴のスティックを弄り口内で飴を転がす。赤子の掌を捻るように簡単に死にゆく人間の姿を思い出したのか、また先程のような見下した表情に戻っていた。
「…なるほどな。なんで急に俺等の情報が漏れたのかと疑問だったが…取り逃がしたクズがスパイだったってわけか」
「フフ…お陰でこっちは助かっちゃったけどねぇ。ある程度分かれば携帯で調べれば楽だし?」
上着のポケットから奴は携帯を俺に見せてきた。…魔物でも携帯使えんのか。蜘蛛女も恐らく仕事で使ってただろうから…特別ロスがダメなだけなのか。チッ…こいつらだって使えんならアイツもぎゃーぎゃー言わず使いこなせよ。そう思った俺だが携帯を見て我に返った。…携帯と言えば今何時だ。無駄話で結構時間取られてんな。
あまり時間掛かると心配した稀琉が戻って来る可能性がある。その時に無傷でいれば問題はないが、それなりに実力のある魔物相手にそれは期待出来ない事態だ。とはいえ蜘蛛女の毒が効いてるだろうからあんま心配いらねえかもしれんが、さっさと始めちまおう。
「…馬鹿な奴等のお陰で上機嫌だな。で?いつまでお預けにしとく気だ。まさかそれ食い終わるまで待ってろとか言わねぇよな?」
俺の問いに奴は笑いながら答えた。
「これは失礼。お待たせしちゃったね。このままで結構だよ。それに俺…いつもこんな感じの棒付きの飴食べながら戦うんだけど……食べ終わる頃までに残った奴は今まで2人しか居ないよ」
奴の金色の目が怪しく光り、あの殺気が辺りを包み込んだ。合わせて俺も殺気を出すと再び倉庫内に張り詰めた空気が充満した。
「…へぇ?だったら最後にしてやるよ」
先程と同じように姿勢を低くした俺は剣の柄を握り直す。
「本当に面白いね、君。……あぁそうだ。俺の名前は言ったけど…まだ君の名前は聞いてなかったねぇ?」
奴は服の中からあの時、女に刺さっていたナイフと同じナイフを数本取り出しながら言った。
「…クロムだ」
俺も剣を構える。
「……そう。クロムね。じゃあ違うかも知れないけど……とりあえずいいや。俺を楽しませてよ?俺も…飴のお礼に素敵なバトルを提供するからさ」
「テメェこそ退屈させんなよ」
俺の言葉を金切りに互いに地面を蹴って切りかかった。
ガキィン―――
激しい金属音が倉庫内に響いた。
個包装のデザインを見てから袋から飴を取り出した。
「わー…思った通りの綺麗さ!暫く食べられないと諦めてたから本当に嬉しいよ!」
うっとりと飴を見つめた後にようやく口に放り込んだ。…ロスといい本当に魔物ってのはこんな抜けてる奴ばっかなのか。大体敵から貰ったもん平気で口の中に入れるか?人間相手だからと警戒心なさ過ぎやしねぇか。先日同じような事で輝太に言った事を思い出した。
「…毒入ってんじゃねぇかとか考えねぇのか?」
「んー?君のタイプ的にそんな汚い手は使わないでしょー。匂いも嗅いだけど毒の匂いなんてしないし!…まぁ君達が用意できる毒で俺にダメージ与えられるのは1つしかないからねー」
…なるほど。食ったところでなんて事ないから警戒もクソもねぇのか。人間以外は猛毒になるカカオを俺らが食ってるみたいなもんか。にしても…。
「うーんこの味の深み!やっぱりパラレルのお菓子は最高だな〜♪」
ご機嫌でそれを食べる奴に俺は「…アンタ、本当は人間じゃねぇの?」と言った。
「いやぁ、中々今の組織に居ると“狩り”が出来ないからさぁ…。糖分で栄養を補わないといけないんだよねぇ」
奴は溜め息をつきながら言った。こいつらはあまり自由が取れない組織にいんのか。そもそもここ(人間界)じゃ、大っぴらにやんのは無理なのかもしれねぇが。でも確か最近血が抜かれた死体がどうのこうのって刹那言ってなかったか?
「麗弥の馬鹿を拉致った時に宗教団体の奴食ってなかったか?それに最近血が抜かれた死体がゴロゴロ発見されてただろ?俺等の同業者の。それなのに足りねぇのかよ」
「あーあれね。君達が釣れるのを待ってる間すこーし味見しただけだよ。…もれなく全員不味かったから腹いせに血液ぜーんぶ抜いてやったけど。宗教の奴は論外だね!あいつは俺の駒だったんだけど、不要になったし役立たずだったから殺したんだよ。その時飲んだんだけどあいつ薬やってたからさ。不味くて食べられたもんじゃなかったんだよ。…まあ?あいつのお陰で君達の情報が得られたからそこだけは役に立ったかな」
飴のスティックを弄り口内で飴を転がす。赤子の掌を捻るように簡単に死にゆく人間の姿を思い出したのか、また先程のような見下した表情に戻っていた。
「…なるほどな。なんで急に俺等の情報が漏れたのかと疑問だったが…取り逃がしたクズがスパイだったってわけか」
「フフ…お陰でこっちは助かっちゃったけどねぇ。ある程度分かれば携帯で調べれば楽だし?」
上着のポケットから奴は携帯を俺に見せてきた。…魔物でも携帯使えんのか。蜘蛛女も恐らく仕事で使ってただろうから…特別ロスがダメなだけなのか。チッ…こいつらだって使えんならアイツもぎゃーぎゃー言わず使いこなせよ。そう思った俺だが携帯を見て我に返った。…携帯と言えば今何時だ。無駄話で結構時間取られてんな。
あまり時間掛かると心配した稀琉が戻って来る可能性がある。その時に無傷でいれば問題はないが、それなりに実力のある魔物相手にそれは期待出来ない事態だ。とはいえ蜘蛛女の毒が効いてるだろうからあんま心配いらねえかもしれんが、さっさと始めちまおう。
「…馬鹿な奴等のお陰で上機嫌だな。で?いつまでお預けにしとく気だ。まさかそれ食い終わるまで待ってろとか言わねぇよな?」
俺の問いに奴は笑いながら答えた。
「これは失礼。お待たせしちゃったね。このままで結構だよ。それに俺…いつもこんな感じの棒付きの飴食べながら戦うんだけど……食べ終わる頃までに残った奴は今まで2人しか居ないよ」
奴の金色の目が怪しく光り、あの殺気が辺りを包み込んだ。合わせて俺も殺気を出すと再び倉庫内に張り詰めた空気が充満した。
「…へぇ?だったら最後にしてやるよ」
先程と同じように姿勢を低くした俺は剣の柄を握り直す。
「本当に面白いね、君。……あぁそうだ。俺の名前は言ったけど…まだ君の名前は聞いてなかったねぇ?」
奴は服の中からあの時、女に刺さっていたナイフと同じナイフを数本取り出しながら言った。
「…クロムだ」
俺も剣を構える。
「……そう。クロムね。じゃあ違うかも知れないけど……とりあえずいいや。俺を楽しませてよ?俺も…飴のお礼に素敵なバトルを提供するからさ」
「テメェこそ退屈させんなよ」
俺の言葉を金切りに互いに地面を蹴って切りかかった。
ガキィン―――
激しい金属音が倉庫内に響いた。