Devil†Story
ー廃倉庫 ヤナvsクロムー
「それなりに本気でやったのによく受け止めたねぇ」
ギリギリッ…
奴がナイフに力を込めながら言った。
「…このくらい出来ねぇとあのバカに言われるんでね」
ガキィン!
ザザッ!
俺と奴は距離を取るが、眼鏡は両手に4本ずつ持ったナイフを投げつけてきた。俺はそれを剣で弾くが同時に眼鏡の姿が消えていた。代わりに上から「ほら、こっち!」という声が聞こえ、その声に上を見ると奴は上から数本ナイフを投げつつも少し大型のナイフを振り上げていた。飛ばしたナイフを弾いてすぐに振りかざしてきたナイフも受け止めた。
ーーガキィン!!
火花が散るほどの斬撃にギリギリと耳障りな金属音が鳴り響いた。それを見た眼鏡は感心したように口を開いた。
「へぇ?よく全部受けたねっ?」
「バカにしてんのか―…」
「よっ!」と俺は剣を横に降ったが、眼鏡はそのまま綺麗に着地する。
「クスクス…」
眼鏡はまだまだ余裕だ。野郎…あの成りして馬鹿力だな。ヤナは一見、細いので力はなく見えるが、その見た目とは裏腹にナイフからの斬激は強い。ロスが熊に例えてたが…まんま熊と対峙してるみたいなもんだな。おまけに眼鏡は素早い。油断すれば一発で致命傷になる可能性も頭に入れとかねぇとな。
「クス…思ったより楽しめそうだよっ!」
ヒュン!
また薄い方のナイフを投げつけてきた。
「投げんのが好きなんだな」
剣で弾くのと同時に左を向くと眼鏡は持ち替えたナイフを振り上げていたところだった。ーー追えたな。弾いた剣を左に振り切ると眼鏡が距離をとった。
「えー…もう俺の事見えるようになっちゃったの?」
「生憎、動体視力は悪く無いんでな」
「ふーん…でも良かったよ。口だけじゃなくて」
クルクルとナイフをジャグリングのように片手で回しながらヤナは楽しそうに嗤った。完全に夜も深まり割れた窓から月明かりが倉庫内を照らされる。その月明かりに照らされてヤナの目は爛々と金色の輝きを見せていた。
「…てめぇこそ口だけじゃなくて安心したぜ」
対してクロムの方も室内に入ってきた月明かりが照らす左目が紅黒さが増していた。暖色と寒色の相対を見ているようなその瞳は互いにそれを捉え続けている。
「じゃあ目眩しのナイフは一旦休憩にして、持久戦といこうか?人間の力でどのくらい俺の斬撃に耐えられるかなぁ?」
大型のナイフを2本服の中から出したヤナは左手を前に、右手を斜め後ろに構えながら若干姿勢を低くした。
「上等だ。斬り合おうじゃねぇの」
クロムも右手に持っている剣を斜め後ろに構え、ヤナよりも深く踏み込んだ体制をとっていた。しばし睨み合いが続いたが先にクロムがグッと地面を蹴って爆発したかのような勢いでヤナに突っ込んでいった。
「あははは!!いいよクロム!!来なよ!!」
クロムの剣を受け止めたヤナは声をあげて笑った。その後暫くは互いの斬撃だけが響き渡った。2人の動きは常人には見えない程早く、何が起きているのかが分からない状況であった。
「あはは!これは想像以上にだよ!もっと…もっと俺を楽しませてくれよ!」
「うるせぇ眼鏡だな。黙ってらんねぇのかよ!」
ヒュンヒュンと互いの斬撃は髪や服に掠っていたが傷をつけるまでではなかった。早過ぎる斬撃の軌跡は光の線となって現れていた。そのスピードについて行くのは余裕であったクロムだったが斬撃の強さに、徐々に重さが増してるのを感じていた。
(チッ…一発一発が熊に殴られてんのと一緒だからな。あんまこれが長引くと流石に剣が弾かれる)
「フフフ。まだまだいけそうだねぇ。それじゃ、少し本気出しちゃおっ…かな♪」
「!?」
そう言った眼鏡の姿が再び消えた。
ーー何処だ!?
目で追えなかった眼鏡の姿を探してたその時だった。
「ーー首もらーい!」
「!!」
左後ろから眼鏡の声が聞こえ見ると、既に奴は俺の首めがけてナイフを振り下ろしている所だった。
「それなりに本気でやったのによく受け止めたねぇ」
ギリギリッ…
奴がナイフに力を込めながら言った。
「…このくらい出来ねぇとあのバカに言われるんでね」
ガキィン!
ザザッ!
俺と奴は距離を取るが、眼鏡は両手に4本ずつ持ったナイフを投げつけてきた。俺はそれを剣で弾くが同時に眼鏡の姿が消えていた。代わりに上から「ほら、こっち!」という声が聞こえ、その声に上を見ると奴は上から数本ナイフを投げつつも少し大型のナイフを振り上げていた。飛ばしたナイフを弾いてすぐに振りかざしてきたナイフも受け止めた。
ーーガキィン!!
火花が散るほどの斬撃にギリギリと耳障りな金属音が鳴り響いた。それを見た眼鏡は感心したように口を開いた。
「へぇ?よく全部受けたねっ?」
「バカにしてんのか―…」
「よっ!」と俺は剣を横に降ったが、眼鏡はそのまま綺麗に着地する。
「クスクス…」
眼鏡はまだまだ余裕だ。野郎…あの成りして馬鹿力だな。ヤナは一見、細いので力はなく見えるが、その見た目とは裏腹にナイフからの斬激は強い。ロスが熊に例えてたが…まんま熊と対峙してるみたいなもんだな。おまけに眼鏡は素早い。油断すれば一発で致命傷になる可能性も頭に入れとかねぇとな。
「クス…思ったより楽しめそうだよっ!」
ヒュン!
また薄い方のナイフを投げつけてきた。
「投げんのが好きなんだな」
剣で弾くのと同時に左を向くと眼鏡は持ち替えたナイフを振り上げていたところだった。ーー追えたな。弾いた剣を左に振り切ると眼鏡が距離をとった。
「えー…もう俺の事見えるようになっちゃったの?」
「生憎、動体視力は悪く無いんでな」
「ふーん…でも良かったよ。口だけじゃなくて」
クルクルとナイフをジャグリングのように片手で回しながらヤナは楽しそうに嗤った。完全に夜も深まり割れた窓から月明かりが倉庫内を照らされる。その月明かりに照らされてヤナの目は爛々と金色の輝きを見せていた。
「…てめぇこそ口だけじゃなくて安心したぜ」
対してクロムの方も室内に入ってきた月明かりが照らす左目が紅黒さが増していた。暖色と寒色の相対を見ているようなその瞳は互いにそれを捉え続けている。
「じゃあ目眩しのナイフは一旦休憩にして、持久戦といこうか?人間の力でどのくらい俺の斬撃に耐えられるかなぁ?」
大型のナイフを2本服の中から出したヤナは左手を前に、右手を斜め後ろに構えながら若干姿勢を低くした。
「上等だ。斬り合おうじゃねぇの」
クロムも右手に持っている剣を斜め後ろに構え、ヤナよりも深く踏み込んだ体制をとっていた。しばし睨み合いが続いたが先にクロムがグッと地面を蹴って爆発したかのような勢いでヤナに突っ込んでいった。
「あははは!!いいよクロム!!来なよ!!」
クロムの剣を受け止めたヤナは声をあげて笑った。その後暫くは互いの斬撃だけが響き渡った。2人の動きは常人には見えない程早く、何が起きているのかが分からない状況であった。
「あはは!これは想像以上にだよ!もっと…もっと俺を楽しませてくれよ!」
「うるせぇ眼鏡だな。黙ってらんねぇのかよ!」
ヒュンヒュンと互いの斬撃は髪や服に掠っていたが傷をつけるまでではなかった。早過ぎる斬撃の軌跡は光の線となって現れていた。そのスピードについて行くのは余裕であったクロムだったが斬撃の強さに、徐々に重さが増してるのを感じていた。
(チッ…一発一発が熊に殴られてんのと一緒だからな。あんまこれが長引くと流石に剣が弾かれる)
「フフフ。まだまだいけそうだねぇ。それじゃ、少し本気出しちゃおっ…かな♪」
「!?」
そう言った眼鏡の姿が再び消えた。
ーー何処だ!?
目で追えなかった眼鏡の姿を探してたその時だった。
「ーー首もらーい!」
「!!」
左後ろから眼鏡の声が聞こえ見ると、既に奴は俺の首めがけてナイフを振り下ろしている所だった。