Devil†Story
倉庫内には激しい金属音が響いている。先程と違うのは段々と互いに切り傷が出来始めているが、圧倒的にクロムの方が多く切られている事だ。
ガキィン!
「チッ…!」
ザザッ…
ナイフを弾いてから距離をとる。少し息があがってきており、自分の喘鳴が耳障りだった。
「おや?さっきの勢いはどうしたの?息…あがっちゃってるよ!」
奴は全くスピードが変わらないまま突っ込んでくる。俺の方は傷も小さいものは塞がり始めているが切られる度に出血しているのには変わりなかった。
キィン!
「だったらなんだってんだよ!」
ギリギリッ
相変わらず凄い力でナイフを振り続けている。クソ眼鏡の方も小さな傷は殆ど意味をなさないようで出血している箇所も耳以外は見受けられなかった。
(ちっ…。このままさっきみたいな持久戦に持ってかれたら流石にヤバいな…)
剣を持つ手が立て続けに繰り出される斬撃によって震え始めてきた。それを見たヤナは口角を上げていた。
「あれぇ?腕が震えてきてるんじゃない?やっぱり…見た目通りで非力なのかな?細いしね〜」
奴のその余裕気な薄ら笑いに怒りが湧いてきた。
「てめぇが馬鹿力なだけだろ」
「フフフ…まだまだ全力じゃないけど…ねぇ!!」
そう言ったのと同時に奴は今までよりも強い力で俺の剣を弾いた。
「クッ…!!」
その衝撃は並大抵のものではなく俺の体は糸も簡単に吹き飛ばされた。咄嗟に剣を地面に突きつけて衝撃を和らげたが、それでも勢いが殺しきれずに壁に叩きつけられた。
「ぐっ…ゲホッ」
軽く血を吐き出す。緩和したとはいえそれなりに強い衝撃が体を巡った。クソッ…あの体制から俺の体を物みたいに軽々しく飛ばしやがって。
「うわっ、かる〜。こんなに簡単に飛ばせるなんて…やっぱり女の子にしか見えないなぁ」
驚いた表情を浮かべたのも束の間、ナイフを回しながら近付くヤナはニヤリと笑っていた。
「何度言わせる気だ。俺は男だっての」
床に刺した剣を引き抜いてからギロッと俺は奴を睨み付けた。先程の衝撃で肋骨が数本逝ったがそれを無視して剣を構えた。
「あぁ、まだそんな口をきく元気あった?良かったよ。君くらい強い人間なかなか居ないからさ。もっともっと楽しませてくれないとつまらないからねぇ」
「言ってろよ!」
地面を蹴り上げてクソ眼鏡の背後を取って剣を振り上げた。
「アハッ…!まだそんなに動けるんだぁ?でも…まだまだだねぇ!」
ナイフで俺の剣を弾いた後、雨のような斬撃を繰り出してきた。金属がぶつかり合う音が断続的に鳴り響いた。目に見えない程の斬撃が互いの頬を切り裂いて血の軌跡を作り出していた。チラリとヤナは無意識に庇っている腹部を見て笑った。
「ほら…ここガラ空きだよ!!」
ーードカッ!!
「グッ…!!」
猛攻の間に入れられた左脇腹に蹴りにクロムは歯を食いしばった。その蹴りの威力は凄まじく新たに骨が数本折れてしまった。しかし振りかざされているナイフを剣で受け止める。
「凄い凄い!痛いだろうによく受け止めたねぇ。骨、折ってやったのに…でもさ。骨が折れてて力が込められない状態で…この体制から押し返せるかなぁ?」
ヤナは上からナイフを振りかざしていたのでクロムは下から受け止めなければならなかった。下からの力よりも体重を掛けられる上からの攻撃の方が圧倒的に有利であった。
「ッ…!」
徐々に押し負け始め、足に力が入る。…まともにやり合えば俺が押し負けるのは明白だな。だがこの状態は…経験済みだ。昨日、契約主と喧嘩した際の経験を生かし俺は剣を離した。
「!?」
ロスと同様対抗していた力が突然なくなりバランスを崩した。その空いている脇腹に思い切り蹴りを入れてやった。
「ッ…!」
クソ眼鏡は腹を押さえながら俺と距離を取った。俺も素早く剣を取って後ろに下がる。
「いたたた…結構痛いねぇ…。やり返されちゃったか。でも俺の骨はそう簡単に折れないけどねぇ」
昨日のロスよりは効いてくれたらしく、腹を摩ってはいた。しかし大きなダメージになる事はなかったようで奴は余裕の表情を浮かべてる。この余裕を…利用しない手はない。
「一発入れたからって…油断しないことだねぇ!」
奴がまた突っ込んできた。横からの斬撃が来たのを目で確認すると剣の柄を上にし、歯が下を向いている体制で受け止めた。
「受けてるだけじゃ俺を殺せないよ?それとも…もう限界かなぁ?」
「ハッ…。その余裕が崩れなかった事を悔やむんだな」
そう言って俺はそのまま地面に剣を刺した。
「―!?」
突き刺すのとほぼ同時に剣の柄を軸に手をかけ、跳びクソ眼鏡のこめかみに蹴りを入れた。遠心力も加わって先程よりも強い蹴りを入る。
――カシャン
蹴りの衝撃で眼鏡が音を立てて地面を転がった。軽く脳震盪を起こしているそいつに俺は剣を抜いて切りつけた。
―――ビシャッ!
傷口から血が溢れ出し眼鏡は後ろによろけた。
ガキィン!
「チッ…!」
ザザッ…
ナイフを弾いてから距離をとる。少し息があがってきており、自分の喘鳴が耳障りだった。
「おや?さっきの勢いはどうしたの?息…あがっちゃってるよ!」
奴は全くスピードが変わらないまま突っ込んでくる。俺の方は傷も小さいものは塞がり始めているが切られる度に出血しているのには変わりなかった。
キィン!
「だったらなんだってんだよ!」
ギリギリッ
相変わらず凄い力でナイフを振り続けている。クソ眼鏡の方も小さな傷は殆ど意味をなさないようで出血している箇所も耳以外は見受けられなかった。
(ちっ…。このままさっきみたいな持久戦に持ってかれたら流石にヤバいな…)
剣を持つ手が立て続けに繰り出される斬撃によって震え始めてきた。それを見たヤナは口角を上げていた。
「あれぇ?腕が震えてきてるんじゃない?やっぱり…見た目通りで非力なのかな?細いしね〜」
奴のその余裕気な薄ら笑いに怒りが湧いてきた。
「てめぇが馬鹿力なだけだろ」
「フフフ…まだまだ全力じゃないけど…ねぇ!!」
そう言ったのと同時に奴は今までよりも強い力で俺の剣を弾いた。
「クッ…!!」
その衝撃は並大抵のものではなく俺の体は糸も簡単に吹き飛ばされた。咄嗟に剣を地面に突きつけて衝撃を和らげたが、それでも勢いが殺しきれずに壁に叩きつけられた。
「ぐっ…ゲホッ」
軽く血を吐き出す。緩和したとはいえそれなりに強い衝撃が体を巡った。クソッ…あの体制から俺の体を物みたいに軽々しく飛ばしやがって。
「うわっ、かる〜。こんなに簡単に飛ばせるなんて…やっぱり女の子にしか見えないなぁ」
驚いた表情を浮かべたのも束の間、ナイフを回しながら近付くヤナはニヤリと笑っていた。
「何度言わせる気だ。俺は男だっての」
床に刺した剣を引き抜いてからギロッと俺は奴を睨み付けた。先程の衝撃で肋骨が数本逝ったがそれを無視して剣を構えた。
「あぁ、まだそんな口をきく元気あった?良かったよ。君くらい強い人間なかなか居ないからさ。もっともっと楽しませてくれないとつまらないからねぇ」
「言ってろよ!」
地面を蹴り上げてクソ眼鏡の背後を取って剣を振り上げた。
「アハッ…!まだそんなに動けるんだぁ?でも…まだまだだねぇ!」
ナイフで俺の剣を弾いた後、雨のような斬撃を繰り出してきた。金属がぶつかり合う音が断続的に鳴り響いた。目に見えない程の斬撃が互いの頬を切り裂いて血の軌跡を作り出していた。チラリとヤナは無意識に庇っている腹部を見て笑った。
「ほら…ここガラ空きだよ!!」
ーードカッ!!
「グッ…!!」
猛攻の間に入れられた左脇腹に蹴りにクロムは歯を食いしばった。その蹴りの威力は凄まじく新たに骨が数本折れてしまった。しかし振りかざされているナイフを剣で受け止める。
「凄い凄い!痛いだろうによく受け止めたねぇ。骨、折ってやったのに…でもさ。骨が折れてて力が込められない状態で…この体制から押し返せるかなぁ?」
ヤナは上からナイフを振りかざしていたのでクロムは下から受け止めなければならなかった。下からの力よりも体重を掛けられる上からの攻撃の方が圧倒的に有利であった。
「ッ…!」
徐々に押し負け始め、足に力が入る。…まともにやり合えば俺が押し負けるのは明白だな。だがこの状態は…経験済みだ。昨日、契約主と喧嘩した際の経験を生かし俺は剣を離した。
「!?」
ロスと同様対抗していた力が突然なくなりバランスを崩した。その空いている脇腹に思い切り蹴りを入れてやった。
「ッ…!」
クソ眼鏡は腹を押さえながら俺と距離を取った。俺も素早く剣を取って後ろに下がる。
「いたたた…結構痛いねぇ…。やり返されちゃったか。でも俺の骨はそう簡単に折れないけどねぇ」
昨日のロスよりは効いてくれたらしく、腹を摩ってはいた。しかし大きなダメージになる事はなかったようで奴は余裕の表情を浮かべてる。この余裕を…利用しない手はない。
「一発入れたからって…油断しないことだねぇ!」
奴がまた突っ込んできた。横からの斬撃が来たのを目で確認すると剣の柄を上にし、歯が下を向いている体制で受け止めた。
「受けてるだけじゃ俺を殺せないよ?それとも…もう限界かなぁ?」
「ハッ…。その余裕が崩れなかった事を悔やむんだな」
そう言って俺はそのまま地面に剣を刺した。
「―!?」
突き刺すのとほぼ同時に剣の柄を軸に手をかけ、跳びクソ眼鏡のこめかみに蹴りを入れた。遠心力も加わって先程よりも強い蹴りを入る。
――カシャン
蹴りの衝撃で眼鏡が音を立てて地面を転がった。軽く脳震盪を起こしているそいつに俺は剣を抜いて切りつけた。
―――ビシャッ!
傷口から血が溢れ出し眼鏡は後ろによろけた。