Devil†Story
「あれぇ?全く動かなかったねぇ?もう動けないから精一杯足掻いたのかなぁ?」
奴は楽しそうに話しているが依然として俺は自分の腕を見つめていた。深々と刺さっている腕から血で溢れている。
血…………。
「……ククッ」
「…?」
ここで初めてヤナはクロムの様子に異変があるのに気付いた。クロムが笑っていたからだ。ヤナ自身には目もくれず自分の腕から流れ出ている紅い液体を見て。それは…今までの笑いとは全く質が異なった。
「……自分が怪我してるのに笑ってるなんて… 気でもおかしくなった?………何がそんなに"嬉しい"んだい?」
クロムの笑っている顔を見たヤナは若干引き気味で率直な感想をぶつけていた。ヤナの目には嬉しそうにしているクロムの姿が映っていた。いや、嬉しいなんて単純なものではない。どちらかと言えば狂気が帯びている得体の知れない何かがと言った方が正しい。
ーーチラリ
ヤナの声にようやく視線を向けたクロムだが、ヤナの体から流れ出ているそれに強く惹かれていた。
「………やっぱ自分のじゃ…ダメだ………」
「なんだい?聞こえないよ」
クロムのその呟きが小さく聞き取れなかったヤナは聞き返すが返答が帰ってくる事はなかった。ただ笑いながらヤナの傷口を見ているクロムの様子に寒気の様なものを感じた。
「なんか急に気持ち悪くなったねぇ…。意識が朦朧としてきてるのかなぁ?だったら…さっさとラクにしてあげるよ!」
左腕からナイフを抜いた奴は、そのまま掌にナイフを突き刺してきた。ナイフは掌を貫通し根元まで深く刺さっている。飛び散る血に目を向けたクロムだったが「………これじゃねぇ…」と小さな声で呟いた後、
ナイフが刺さった左手でヤナの手首を掴んだ。互いの手からナイフで切れた部分から血が出る。
これだ………
自身の血液と混ざり合って判別できない筈のヤナの血を見たクロムはそう確信していた。
もっと………
「だから何がそんなに嬉しいんだい?自分の手の方が重症だろうに。本当人間って下等だねぇ――」
ミシッ…
「!?」
ヤナの手首から骨が軋む嫌な音がした。その音を聞いて馬鹿にしたような表情から驚愕の表情に変わった。
そして次の瞬間―――
ボキィ!
「…ッ!?」
ヤナの右手首が折れる音がし、掌から貫通していたナイフがヤナの手首に深く突き刺さり出血が増していた。
ーードクン
その紅い液体を見て胸が大きく鳴り響いた。
奴は楽しそうに話しているが依然として俺は自分の腕を見つめていた。深々と刺さっている腕から血で溢れている。
血…………。
「……ククッ」
「…?」
ここで初めてヤナはクロムの様子に異変があるのに気付いた。クロムが笑っていたからだ。ヤナ自身には目もくれず自分の腕から流れ出ている紅い液体を見て。それは…今までの笑いとは全く質が異なった。
「……自分が怪我してるのに笑ってるなんて… 気でもおかしくなった?………何がそんなに"嬉しい"んだい?」
クロムの笑っている顔を見たヤナは若干引き気味で率直な感想をぶつけていた。ヤナの目には嬉しそうにしているクロムの姿が映っていた。いや、嬉しいなんて単純なものではない。どちらかと言えば狂気が帯びている得体の知れない何かがと言った方が正しい。
ーーチラリ
ヤナの声にようやく視線を向けたクロムだが、ヤナの体から流れ出ているそれに強く惹かれていた。
「………やっぱ自分のじゃ…ダメだ………」
「なんだい?聞こえないよ」
クロムのその呟きが小さく聞き取れなかったヤナは聞き返すが返答が帰ってくる事はなかった。ただ笑いながらヤナの傷口を見ているクロムの様子に寒気の様なものを感じた。
「なんか急に気持ち悪くなったねぇ…。意識が朦朧としてきてるのかなぁ?だったら…さっさとラクにしてあげるよ!」
左腕からナイフを抜いた奴は、そのまま掌にナイフを突き刺してきた。ナイフは掌を貫通し根元まで深く刺さっている。飛び散る血に目を向けたクロムだったが「………これじゃねぇ…」と小さな声で呟いた後、
ナイフが刺さった左手でヤナの手首を掴んだ。互いの手からナイフで切れた部分から血が出る。
これだ………
自身の血液と混ざり合って判別できない筈のヤナの血を見たクロムはそう確信していた。
もっと………
「だから何がそんなに嬉しいんだい?自分の手の方が重症だろうに。本当人間って下等だねぇ――」
ミシッ…
「!?」
ヤナの手首から骨が軋む嫌な音がした。その音を聞いて馬鹿にしたような表情から驚愕の表情に変わった。
そして次の瞬間―――
ボキィ!
「…ッ!?」
ヤナの右手首が折れる音がし、掌から貫通していたナイフがヤナの手首に深く突き刺さり出血が増していた。
ーードクン
その紅い液体を見て胸が大きく鳴り響いた。