Devil†Story
―ヤナSIDE―
「クッソ………」
ヤナはアジトに戻っていた。ここは人間界と魔界の間の空間にある。その為。街に繋がる道が複数存在し、それを使って行き来していた。
あのガキ…調子に乗りやがって…!
腹部の刺し傷や切り傷を忌々しそうに押さえたヤナは歯軋りをしていた。
…それよりも。この失態をあいつにどう説明する?これだけ大きな不祥事をどう説明すればいい。失敗したなんて知られたら……。
「ッ……」
傷が痛みよろけてしまった。壁に体を預け一度立ち止まる。未だに出血している為、壁や床には血が付着していた。ギュッと傷口を強く握りしめた時だった。
「あれー?戻ってたのー?」
「…!」
後ろから声がした。振り返ると少年が立っており体にそぐわない巨大な鎌を持ちながら無邪気な顔でヤナを見ていた。
「おかえりー。…ってアレ?どうしたの?その傷。まさか…人間相手に派手にやられちゃったのー?」
「……うるさいぞ、キシ」
「その感じだと本当なの?えー!そっかぁ…。あのお兄ちゃん強いなーとは思ってたけどまさかそこまでだったなんて……」
何処かでクロムを見ていたのかキシと呼ばれた子どもは考えるように顎を触った。
「…悪いけど放っておいてくれるか。…ッ」
「痛そうだねー。肩貸そっかー?」
「いい。この位問題ない…」
壁から離れ、よろよろと歩くヤナに「大っきくなって肩貸してあげるのにー」といじけて口を尖らせた。それを無視してヤナはホールに向かって歩いた。ホールに着くなり、また声を掛けられた。
「おかえり〜★…って1人なのぉ?あのお兄ちゃん は?…えー!うっそー?!凄い怪我してるじゃーん!」
「もしかしてやられちゃったのぉ?人間相手にぃ?そうだったらダサ過ぎるんですけどぉ〜!」とクロム達と同じくらいの年の女の子は口元を持っていたぬいぐるみで覆った。長い金髪をツインテールにして、ゴスロリの格好をしている。
「黙ってろ……。ッ……」
傷が痛み顔を歪める。…なんで塞がんないんだ?少なくとも血は止まっていてもおかしくはないのに。純血の吸血鬼は体の治癒力が高い。確かにクロムに負わされた傷は大きいものであったが、それでも出血が治ってもおかしくはなかった。…クソッ!!あの顔を思い出すだけで腹が立つ。ダサいとか…俺が1番思ってるっての…!眉間にシワが寄り舌打ちをする。
「舌打ちするとか感じ悪い〜。やられたくせにぃ」
「仕方ないよミシェル。あのお兄ちゃんは普通の人間とは違うんだから〜」
キシがミシェルと呼ばれた女の子の側に行き両手を左右に上げた。
「それにしてもありえなーい。人間だよー?」
「…少し油断しただけだ…ッ…」
「あー!ヤナおかえり。…うわぁ怪我痛そー」
また違う声がして見るとミシェルと呼ばれた女の子と同じくらいの年の金髪の前髪はぱっつんの少年が入り口から入ってきた。
「ソルトおかえり〜!」
名前を呼ばれると少年はミシェルにニコリと笑って「ただいまー!」と挨拶していた。
「ヤナ大丈夫?傷深そうだねー。それにしても珍しい。君がそんな大怪我するなんて」
顔を覗き込みながらソルトは全身の怪我を見て「本当痛そー」と眉間にシワを寄せていた。
「その内塞がる……。頼むから放っておいてくれ…」
こいつらの相手をしてる場合じゃない。あいつがこの事を知る前に…どう説明するか考えないと…あの子が……。
「そうは言っても〜。この事どう説明するつもりなのぉ?無様にやられました〜!って言うつもりぃ?ミシェル達が言わなくてもあの人は許してくれないよぉ?」
「ッ…お前に言われなくとも分かってる……。いいから…お前らは戻れよーーー」
その時だった。
「なんだ。騒々しい」
「!」
上から低い声が聞こえた。
「クッソ………」
ヤナはアジトに戻っていた。ここは人間界と魔界の間の空間にある。その為。街に繋がる道が複数存在し、それを使って行き来していた。
あのガキ…調子に乗りやがって…!
腹部の刺し傷や切り傷を忌々しそうに押さえたヤナは歯軋りをしていた。
…それよりも。この失態をあいつにどう説明する?これだけ大きな不祥事をどう説明すればいい。失敗したなんて知られたら……。
「ッ……」
傷が痛みよろけてしまった。壁に体を預け一度立ち止まる。未だに出血している為、壁や床には血が付着していた。ギュッと傷口を強く握りしめた時だった。
「あれー?戻ってたのー?」
「…!」
後ろから声がした。振り返ると少年が立っており体にそぐわない巨大な鎌を持ちながら無邪気な顔でヤナを見ていた。
「おかえりー。…ってアレ?どうしたの?その傷。まさか…人間相手に派手にやられちゃったのー?」
「……うるさいぞ、キシ」
「その感じだと本当なの?えー!そっかぁ…。あのお兄ちゃん強いなーとは思ってたけどまさかそこまでだったなんて……」
何処かでクロムを見ていたのかキシと呼ばれた子どもは考えるように顎を触った。
「…悪いけど放っておいてくれるか。…ッ」
「痛そうだねー。肩貸そっかー?」
「いい。この位問題ない…」
壁から離れ、よろよろと歩くヤナに「大っきくなって肩貸してあげるのにー」といじけて口を尖らせた。それを無視してヤナはホールに向かって歩いた。ホールに着くなり、また声を掛けられた。
「おかえり〜★…って1人なのぉ?あのお兄ちゃん は?…えー!うっそー?!凄い怪我してるじゃーん!」
「もしかしてやられちゃったのぉ?人間相手にぃ?そうだったらダサ過ぎるんですけどぉ〜!」とクロム達と同じくらいの年の女の子は口元を持っていたぬいぐるみで覆った。長い金髪をツインテールにして、ゴスロリの格好をしている。
「黙ってろ……。ッ……」
傷が痛み顔を歪める。…なんで塞がんないんだ?少なくとも血は止まっていてもおかしくはないのに。純血の吸血鬼は体の治癒力が高い。確かにクロムに負わされた傷は大きいものであったが、それでも出血が治ってもおかしくはなかった。…クソッ!!あの顔を思い出すだけで腹が立つ。ダサいとか…俺が1番思ってるっての…!眉間にシワが寄り舌打ちをする。
「舌打ちするとか感じ悪い〜。やられたくせにぃ」
「仕方ないよミシェル。あのお兄ちゃんは普通の人間とは違うんだから〜」
キシがミシェルと呼ばれた女の子の側に行き両手を左右に上げた。
「それにしてもありえなーい。人間だよー?」
「…少し油断しただけだ…ッ…」
「あー!ヤナおかえり。…うわぁ怪我痛そー」
また違う声がして見るとミシェルと呼ばれた女の子と同じくらいの年の金髪の前髪はぱっつんの少年が入り口から入ってきた。
「ソルトおかえり〜!」
名前を呼ばれると少年はミシェルにニコリと笑って「ただいまー!」と挨拶していた。
「ヤナ大丈夫?傷深そうだねー。それにしても珍しい。君がそんな大怪我するなんて」
顔を覗き込みながらソルトは全身の怪我を見て「本当痛そー」と眉間にシワを寄せていた。
「その内塞がる……。頼むから放っておいてくれ…」
こいつらの相手をしてる場合じゃない。あいつがこの事を知る前に…どう説明するか考えないと…あの子が……。
「そうは言っても〜。この事どう説明するつもりなのぉ?無様にやられました〜!って言うつもりぃ?ミシェル達が言わなくてもあの人は許してくれないよぉ?」
「ッ…お前に言われなくとも分かってる……。いいから…お前らは戻れよーーー」
その時だった。
「なんだ。騒々しい」
「!」
上から低い声が聞こえた。