Devil†Story
麗「ッ…!!」


醜「ククッ」


――シャキン


鉄爪がギラリと光り、麗弥の左腕をかすった。


麗「つっ…!」


醜「ほらほらァ!動きが鈍いぜェ!?麗弥ァ!!」


かろうじて避けてはいるが相手は醜鬼だ。常人とは比べ物にならないくらい動きが早く、合間で体術で応戦するものの然程ダメージはないようだ。また、相手は近接武器の為、下手に反撃すれば一瞬で手足を刺されてしまうことは目に見えていた。防戦一方の麗弥に対し、醜鬼は雨のような猛攻を続けている。


澪「んぅー…!」


澪奈は涙目になりながら頭を左右に振る。


―やめて―


そんな想いを抱きながら。素人が見ても明らかに武が悪い戦いだった。そんな麗弥を少し離れたところで眺めていたロスは違和感を感じた。


(麗弥の奴…動きが悪いな。普段の感じなら防戦一方にはならねぇだろ。それになんでその身一つで戦ってんだ?)


確かに普段使用している武器はどちらかと言えば遠距離攻撃だ。だからこそ万が一武器を取られた場合のことを考えており、一通り体術等も空手の有段者が相手だとしてもお釣りが来るくらいの実力を持っているはずだった。しかし、今の麗弥は動きが悪く、その証拠に体につく傷は増すばかりであった。そもそもの話として武器を頑なに使用しないのには理由があった。それは……。


麗「ガハッ!」


ドカッ!


思い切り蹴り飛ばされてロスが立っていたすぐ側の壁に叩きつけられた。腹部に思い切り当たっていた為、腹部を押さえながらそのまま力なく壁に背中をつけながらズルズルと座り込んでしまった。

ロ「麗弥!」


ロスは駆け寄った。


ロ「何、やってんだよ麗弥。やられっぱなしじゃん。早く反撃しねぇとやられるぞ」


ロスの言葉に左右に首を振る。


麗「あかん…。姉さんに言ってないんや…俺が人殺しな事……。せやから、姉さんの前では武器使えへん…」


軽く血を吐き出しながら麗弥は言った。


ロ「使えねぇって…それじゃ、なぶり殺しじゃん――」


その時――


醜「今更何の相談だァ!?」

ロ「!」


ドカァン!!


ロスと麗弥が居た場所に醜鬼が突っ込んだ。


辺りは砂ぼこりまみれになった。


澪「んんー……!」


澪奈が叫んだと同時に…


ロ「あっ…ぶねぇな、この野郎」


ザッと麗弥を抱えてロスが砂ぼこりの中から出てきた。


醜「やるなァ!黒髪の餓鬼ィ」


ロ「餓鬼ねぇ…。テメェより、何百年も生きてるけど…なっ!」


ヒュン!


そう誰にも聞こえないような声で言うと近くにあった鉄パイプを投げる。
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