Devil†Story
―夜―


澪「…行ってくるね。レイちゃん」


澪奈が検査の為に部屋に出る前に麗弥に声をかける。

夜中に検査する理由は今、世の中を騒がせている事件の被害者なので、昼間に検査をすると周りから色々言われたりするという事での病院側の配慮だった。


あの事件から数日経ち、澪奈も麗弥も歩けるくらいには回復した。



麗「………」


麗弥は黙ったまま、窓の外を見ていた。


澪「……ちゃんと寝ててね」


カラカラ……


澪奈が外に出た。


麗「……っ」


麗弥が体を起こした。


ヒュウと開いた窓から風が吹いてくる。


今日は満月のようだ。


結局、親戚は誰も引き取ってくれなかった。


何故なら今、莫大な治療費がかかっているからだ。


このままだと澪奈が治るまでここには居られない。


児童相談所に行ったって、すぐに施設に行けるわけではないし、その間これだけ騒がれた事件だ。


周りがどんな反応するか。

かと言って行く当ても、帰る所もなくなった。


誰も助けてくれない。


なんでや……。


なんで、こーなった…?


オレ等が何したっていうねん……!


世の中は冷たい。


――麗弥は男だろ…?


父親の言葉。


でも、結局守れなかった。


母ちゃんも、姉ちゃんも。


それどころか姉ちゃんには守られてた。


挙げ句の果てには右目を失った。


まだ時々痛む右目。


麗「……オレなんか…死んだら良かった……」


ボソリと呟いた時だった。


?「――じゃあ、働いて見るきない?」


麗「!?」


麗弥は慌てて周りを見た。


すると、窓から姉ちゃんと同じか、少し年上のお兄さんが入ってきた。


――それが刹那との初めの出会いだった。
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