Devil†Story
麗「………」


アレから数日。


まだ答えは出ない。


当たり前だ。あんな事…即答出来る訳がない。


そら、殺人だけではないんやろうけど…殺人をしなければならない日が必ず来る。


あんな奴と同じ事を…してええわけはない。


せやけど……。


澪「――レイちゃん?」


麗「――!」


姉ちゃんの声で我に返る。

澪「大丈夫?目…まだ痛い?」


ソッとオレの頭を撫でる姉ちゃん。


オレは慌てて「だっ、大丈夫や」と笑顔で返した。


澪「そう?ならいいんだけど…最近レイちゃん、ぼーっとしてるから…」


流石姉ちゃんや。もう感ずいている。

でも、この間の事は話せないのでいつもの様にへらっと答える。

麗「なっ…なんでもないよ。最近…暑くなってきたなぁって思ってただけ」


澪「本当に?なら良いけど…。…あっ、見て。レイちゃん!あの雲!金魚みたいじゃない?」


澪奈が指差す方向を見ると、金魚の形に似た雲が2つあり、2匹仲良く青空の中を泳いでいるように見えた。


麗「本当やー」


澪「綺麗だね。もうちょっとで夏祭りかぁ…もうそんな季節になってたんだね…」


麗「………」


あの事件からそんなには経っていないのに、もう1年前のような気分だった。


去年までは父親と母親、澪奈、麗弥で夏祭りや花火大会に行っていた。


去年までは当たり前の光景。


でも…今年からは当たり前じゃなくなったイベント。

やっぱり…父ちゃんと母ちゃんを殺した奴と同じ事は…でけへん。


刹那お兄さんには悪いけど…やめよう。


そう考えていると、澪奈が口を開いた。


澪「ここからでも花火見られるといいね」


笑顔で外を見る姉ちゃん。やっぱり出来ない。


麗「うん」


澪「それまでに治さなきゃ――ゲホッ ゲホッ…!」


麗「!?姉ちゃん!?」


急に咳き込み始めた澪奈に目をやると、澪奈は激しく咳き込んでいた。


慌てて駆け寄るが姉ちゃんは「だ…大丈…ゲホッゲホッ」と言った。


口を押さえている手の間からこの間散々見た赤い液体が流れている。


ど、どないせよ!?


オレが慌てると…


澪「だ…い…丈夫だよ…ゲホッ…レイ…ゲホッちゃんは…そんなに…心配しなくて…いいんだよ…?ゲホッゲホッ…!」


明らかに大丈夫ではない。

しかし、澪奈は苦しそうに笑いながら麗弥を見た。
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