Devil†Story
―――――

麗「う……」


グッと踏まれる力が強くなった。


醜「成長したのは身体だけだったな、麗弥ァ。結局…お前は弱虫のままだったって事だァ!」


麗「ッ……」


本当にその通りだ。


このままじゃあ…俺は姉さんを守れない。


クロム騙しといてこのザマだ。


でも…姉さんに嫌われたら…俺はなんの為に生きてきたのか分からなくなる。


その時……


澪「いい加減にして…!レイちゃんは…麗弥は弱虫なんかじゃないわ!」


麗「! 姉さん…」


姉さんが男に向かってそう怒鳴る。


こんな姉さんの姿は見た事がない。


醜「弱虫だろォ?何も出来てないんだからよォ」


澪「何もって何…!?貴方みたいに笑って人を殺す事!?貴方みたいな人と麗弥を一緒にしないで…!」


麗「…!」


麗弥の為にと発したその言葉が胸に刺さる。


人殺しには変わりないのだから。


醜「それは誉め言葉として受け取ってやらァ。――さて、もうコイツは戦う気もないみたいだし?さっさとパパとママが居るあの世に連れてってやるよ、麗弥ァ。あの世で…ママの膝の上で泣くんだなァ!」


男はスッと鉄爪を上げた。


澪「レイちゃん!」


ロ「……」


その時……


――ヒュン


醜「!」


男が素早くその場から離れた。


一瞬見えたギラリと光る線。


麗「この線は…」


ガシャンという音と共に壁が崩れて誰かが中に入ってきた。


そこに居たのは……。


麗「稀琉!?」


稀「ハァ…良かった…。間に合った」


そこから、もたれ掛かるように出てきたのは稀琉だった。


息を切らし、戦闘の後なのか白と黒の上着は血や土で汚れていた。


醜「――ほォ?雑魚とはいえあの数を相手によく生きてたなァ、帽子ィ」


楽しそうに尋ねる男に稀琉は少し声を低くして答える。


稀「…貴方の部下か何かは知らないけど、オレはこんなの慣れてるからね」


醜「…へぇ?なるほど。それなら、あの雑魚どもなんかなんて事ねェな。ただ、傷の1つや2つ…つけろよな、クズめ…。まァ、いいさ。俺様がお前を片付ければ良い話なんだからなァ!」


ザッと駆け出した男を避け、稀琉は麗弥の近くに着地する。


稀「大丈夫っ?」


小声で尋ねる稀琉に頷く。

稀「あいつはオレが相手にするよ。その間に…澪奈さんを安全な場所に連れていって」


麗「!?稀…琉…?それは…!」


稀琉のその言葉に俺は驚いた。
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