Devil†Story
パラパラ……

辺りは土埃で何も見えない。

ヤ「…まさか、もう死んじゃった?」

ヤナがそうボソリと呟いた時だった。

ク「んなわけ、あるか」

ヤ「!」

土埃の中からクロムが出てきた。

かすったのか、頭から血が出ている。

ヤ「フフ…だよね。これじゃ血の量…足りないもんね?」

右手に付いている血を舐めながら奴は卑しく笑う。

ク「………」

(早い…)

奴が酒を飲んで、僅か1分足らず。目の前で酒を飲んだのを見てた。尚それから一瞬たりとも奴から目を離していなかったのにも関わらず…見失った。

さっき…完全に奴の姿が見えなかった。

この間の様に毒で弱っているわけでもない。

なのに見えなかった。

これは結構面倒だな……。
ヤ「ふふ…だから言ったでしょ?それに前にも、甘く見るなって言ったのに…ね!」

床を蹴り、一気に俺の目の前までくる。

俺は剣で奴の一撃を受ける。

その後も、強い斬激が続き、受ける一方だ。

目の前に居るので動きを追えるが、流石にただの人間ではないとはいえ、魔物との差はある。

徐々に肩や腕に切傷が増えていく。

そして、奴が大きく踏み込んで突っ込んできた。咄嗟に横に避けると、少し掠ったが奴はパイプ菅が張り巡らされている場所にぶつかった。

その瞬間、パイプ菅がバラバラと落ちた。奴の口の中にはパイプ菅があり、ガリッと飴を噛み砕くように噛み砕いた。

顎の力も半端でない。

ク「ハッ…鮫みてぇだな」
ヤ「くく…こんな柔な金属ぐらいなんて事ないよ。君の剣も腕も…噛みちぎってあげるよ」

そう言ってまた突っ込んできた奴を剣で受け止める。
剣に奴が噛み付いた。口の力だけなのに後ろに押される。

ク「このっ…馬鹿力め…!」

グッと力を入れた時だった。

――パキッ

ク「なっ…!」

僅かだが剣にヒビが入った。
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