Devil†Story
―クロム Side―

意識が混濁していて頭は思考を放棄している。この間と同じであって違う感覚だった。

段々と意識がハッキリしなくなってきた。

それでも奴を切り刻んでいる感覚と俺の口が吊り上がっている事はよく分かる。

……ちょっと、待て。

闇の中で目を瞑っていたクロムの眉がピクリと動く。

つー事は……俺、今、戦いを楽しめてねーって事…だよな?

――ふざけんじゃねぇ。

俺は闇の中で目を開けた。
すると辺りが揺れ、あいつの声が聞こえてきた。

?「チョッ…何シテルンダ、クロム!」

ク「やかましい!今…戦いを楽しんでるのは俺なんだよ…!この、タコがっ!俺の楽しみを…奪うんじゃねぇよ!」

何処に居るか分からない相手に俺は怒鳴り付ける。


暫く沈黙が続いたが、やがて……

?「プッ…アッハハハハ!アァ、ソイツァ悪カッタナ、クロム!ヤラレソウダッタカラ、ツイ手ヲ出シチマッタゼ」

ク「誰がやられそうだ、カス。てめえがどんな奴だろうが、興味もねぇけどな…俺の戦いに手を出してくんじゃねぇよ」

?「アハハッ。マァ、イイサ。俺様ハ…イツデモ“ココ”ニ居ルカラナ?クロム」

ふわっと闇が目の前で笑い、俺の目の前にいる気がした。

見えてはいないが、胸の当たりを指差された後、頬を触られている様な感じがした。

ク「ハッ…勝手にしろ。…邪魔さえしなければな」

パシンッと見えてはいない手を振り払う。

?「ククククッ…。ジャッ、殺シヲ楽シメヨ、クロム」

闇の中で奴はそう笑った気がした。

――ドクンッ

ク「…!」

ヤ「!!」

僅かながらクロムの目から闇が消え、目を瞬かせた。その変化にヤナも気がついた。

あの倉庫に戻ったようだ。体を見てみると、感じてはいたが胸から大量の出血。体があちこち痛み、傷口が熱い。

ク「あのバカ…余計なことしやがって……」

ヤ「…何、したのかは知らないけど…バカだね、クロム。そのまま…さっきの状態でいたら…勝ってたかもしれないのにさ!」

ヤナが手を振り上げる。

ク「チッ…!」

咄嗟に落ちていた剣を拾って構えた。

やはり、体が言うことをきかない。

あの野郎…ッ!

人の体を好き勝手使いやがって…!

このままだとさっきと変わらない。

―仕方がない。使いたくなかったが…これを使うか。
俺は、一旦奴を剣で振り払った。
< 325 / 539 >

この作品をシェア

pagetop