Devil†Story
醜「………!」

醜鬼はすぐ隣の壁を見た。
そこにはさっき放たれた銃弾の後があった。

幸い、澪奈に銃弾はかすってはいたが当たってはいなかった。

苦しそうに暴れる麗弥を澪奈は必死に抑える。

麗「グッ…!ガアァアア…!!ハ…ナ゙セ…ェ…!」

必死に抱きついて抑えている澪奈を乱暴に引き離そうとする麗弥。

それでも、澪奈は麗弥を抱き締める。

そして、暴れる麗弥に澪奈はずっと思っていた事を言った。

澪「いいの、レイちゃん!もう…もう良いのよ…!私の為に…こんなに苦しまなくていいの…!」

「!」

稀「澪…奈さん……」

歯をむきだしにし、暴れる麗弥に澪奈は優しくそう言った。

麗弥の力は強すぎて振り払われそうになっても、澪奈は決して手を放さなかった。

澪奈は麗弥を見る。

苦しそうな表情、体は傷まみれ。

誰がこうさせたのだろう。

――私だ。

澪奈はギュッと麗弥を抱き締める力を強め、その胸に顔を沈めた。

澪「レイちゃん……。ゴメンね……!」

そう言った澪奈の目から透明な雫が落ちた。

それが、麗弥の血塗れの手に落ちた。

――ドクン

麗「ウッ……!?グッ…ガア゙ァアア……!」

ロ「!」

稀「!? 麗弥…!?」

澪「!!」

さっきとはまた違う苦しそうな声。

何かと戦っているようだ。

麗「ウッ…ア゙ァアア…!!」

より一層、大きな声で麗弥は叫んだ。

何かを振り払うように。

その時、麗弥は何かを言った。

麗「レ…ナ…サ……」

澪「!」

澪奈は麗弥の顔を見た。

顔を手で隠している為、表情は分からない。

しかし、麗弥は何かを言っている。

澪奈は耳を傾けた。

その時、途切れ途切れではあったが麗弥は確かに言った。

麗「レ゙イ…ナ゙…オ゙…ネエ゙…チャン゙……!」

澪「! レイちゃん!?」

澪奈は麗弥に呼び掛けた。

ロ(! 力が弱まってる…?)

ロスは麗弥の変化に気付いた。

次の瞬間……。

――ドックン!

麗「……!」

辺りに立ち込めていた殺気が消えた。

稀「れ…麗弥…?」

ピタリと止まった麗弥を澪奈は祈るように見つめた。

麗「…澪奈…姉さん……?」

「!!」

澪奈は麗弥の顔を見た。

そこに居たのは、いつもの麗弥だった。
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