Devil†Story
―麗弥 Side―

暗い……。

苦しい……。

俺は真っ暗闇の中に居た。
何も見えない。

でも…もう良いや……。

そう思った時だった。

――レ…ちゃ……

……?

誰かの声がする。

スッと暗闇の中で目を開ける。

しかし、何も見えない。

気のせい…か……。

そう思い、目を瞑ろうとした時、また声が聞こえた。
――レイ…ちゃん…

この声は……。

フッと後ろに光が見え、そこを見る。

そこには、俺に必死に抱き着いている姉さんが居た。
姉さん……?

アレ…なんで、泣いてるんだ…?

俺…姉さんを泣かせたくて…こんなことしてたんだっけ…?

――違う。

今度こそ俺は暗闇で目を開いた。

ズルッ…

――ナッ!?

麗弥と1つになろうとしていた、もう一人の『麗弥』が外に弾き出された。

――ナニシテ…!

「……俺は、姉さんを泣かせる為に人殺ししてたんじゃない。あいつを殺す為に……人殺しをしてたわけじゃない。姉さんを守る為だ。だから…お前の言う通りにはならない!」

ハッキリ麗弥は『麗弥』に言った。

金色の目の自分は驚いていたが、やがて笑いだした。
――クッ…アハハハハハハッ!ソウカ…残念ダ、麗弥。ダガ…俺ハ消エル訳ジャナイ。イツデモ…“ココ”ニ居ルカラナ

そう言って、右目を指した。

――馬鹿ナ奴。飲マレタ方ガ…楽ナノニ

「生憎…もう逃げんのは止めたんだ」

――ソウカヨ。…マッ…精々足掻ケバ良イサ。

そう言った俺は闇に消えた。

その瞬間、真っ白な世界に引き戻された。

その様子を『麗弥』は見ていた。

そして、鼻で笑いながら『本当ニ…馬鹿ナ奴』と言ったのは麗弥には聞こえなかった。
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