Devil†Story
ロ(マジか…。アレだけ、暴走してた力を…醜鬼の力で体を侵されてるような弱い人間が、呼び掛けただけで押さえ込んだのか…?)

ロスは驚いたように麗弥を見た。

麗弥はまだ何が起きたのか分からないのかボッとしている。

ロ(ククッ…やっぱり…人間は答えが1つじゃないから、面白い)

ロスは少しだけ、口角をあげて笑った。

澪「レイちゃん…!」

麗「姉さん……」

澪「良かった…!元に戻ったのね?本当に良かった…!」

涙目で、安心したように笑う澪奈。

何が…あった……?

一瞬、麗弥には何が起こったのか分からなかった。

俺…何して……

醜「クッ…馬鹿だなァ、麗弥。もう少しで…殺せたのに、よっ!」

澪「きゃあ!」

稀「澪奈さん!」

いつの間にか立っていた醜鬼が、後ろから澪奈を乱暴に引き寄せて首に鉄爪を押し当てた。

醜「ほら、来いよ、麗弥ァ!!出ないと、この女を殺すぞ!」

稀「くっ…汚い奴…!」

ロ「…………」

稀琉が醜鬼を睨み付け、ロスが見守る中、麗弥は先程のことを思い出していた。

あっ…そうだ……俺……あいつを殺そうと…して………。

手を見ると、男の返り血がついていた。

しかも……あいつを傷付けてた時……“楽しんでた”んだ……。

麗「………ッ!」

自分に負けたのが悔しくて堪らない。

醜「どうしたァ、麗弥!?殺しちまうぞ!?」

醜鬼の声にハッとして、前を見る。

そこには、姉さんを人質に俺に戦えと言う醜鬼が居た。

これ以上…姉さんに迷惑をかけるわけにいかない。

麗「……姉さんから、離れろ」

スッと銃を向ける。

後悔も自分を責めんのも、後だ。今は…姉さんを守ることだけを考えるんだ。

麗弥が銃を向けると、澪奈が「レイちゃん…」と呼び掛ける声がした。

そんな、澪奈に麗弥は優しく微笑みかける。

麗「大丈夫…。もう、大丈夫だから」

醜「ククッ。そうじゃなくっちゃあなァ!」

澪「きゃあ!」

澪奈を乱暴に横に押し、麗弥に向かって駆け出す醜鬼。

澪「レイちゃん!」

麗弥は突っ込んできた醜鬼を避けながらまた銃を向けた。

今度は絶対に負けない…!

その決意を胸に麗弥は醜鬼と戦った。

醜「来い!麗弥ァ!!決着をつけようぜェ!?」

そう…全てはあの日の事件を終結させるために。
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