Devil†Story
――ドックン

ヤ「グゥ…!」


ドックン ドックン ドックン ドックン……

心臓が破裂するんじゃないかというくらい心拍数が上がり、胸が熱く苦しい。

これが…最後だ……。

ヤナはそう悟り、クロムの紅い目を睨み付ける。

ヤ「これで…最後だよ…ッ!」

地面を蹴って、クロムに襲いかかる。

――ガキィン

剣で受け止めた。そして…

ク「……本当、馬鹿な奴」
と呟くと襲いかかってきたヤナの背後に行った。

ヤ「…!!」

ク「今のてめえの動きなんざ…餓鬼でも分かるんだよ」

スッと剣を振り上げながら、そう言ったクロムの声が耳に届いたのと同時に……


――ズシャア!

ヤ「ガッ…!」

クロムの剣がヤナの背中を切り裂いた。

ヤ「ッ…!!」

ブシュッ…

傷口から血が吹き出した。
ヤ「ゲホッ…ゲホッ…ゴフッ…!」

口から大量の血を吐き出す。もう、誰の目から見てもヤナの敗北は確定だった。

ク「ハッ…マジ馬鹿だな」

スッとクロムは剣を向ける。
ク「さて…最後に聞くが…。てめぇらを送ってくる“あの人”ってのは…誰だ?」

冷たく聞くクロムに対し、ヤナは薄く笑って答える。

ヤ「さぁ…?だ…れだろうね…」

ク「…まぁ、良いさ。元から期待なんかしてねぇ。じゃあ…今度こそ死にな」

スッと剣を振り上げる。

ヤナはクロムを睨み付けながら心の中で「すまない……」と謝り、目を閉じた…その時だった。

?「駄目ぇ!!!」

「!?」

誰かの声が倉庫に響いた。
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