Devil†Story
麗「!!」

突然のことで反応できず、麗弥はそのまま醜鬼の側に引き寄せられた。

額に銃を持っていった醜鬼は笑いながら麗弥に告げた。

醜「いいか、麗弥ァ。今は押さえられてるようだがなァ…いずれ、てめえはこーなるんだ。どう足掻いたって、この“化物”から逃げられねーんだよ。…俺様のようになァ」

麗「! お前…」

麗弥は男を見た。

いつもとは少し違う表情だった。

醜「まッ、精々足掻けば良い。こうなる、その時までなァ。俺様は…先に地獄に行って見ててやらァ。…てめえの足掻きとやらをなァ。そして、悪いが、俺様は“化物”だからなァ。狭い檻ん中に居るなんて耐えられねェんだよ。だから、てめえの思い通りにはならねェ。ざまぁみろ」

そう言って銃の引き金にかけてある麗弥の指の上から指を重ねた。

醜「じゃあなァ、麗弥。先に地獄で…罰とやらを受けててやるぜェ?」

グッと指に力が入れられるが、麗弥は金縛りにあったかのように、動けなかった。

そして、男が「バイバーイ、麗弥ァ」と口角を吊り上げて笑ったのと同時に…

――パァン!

銃声が鳴り響いた。

いつもと同じはずのその音が…今日はやけに響いていた……。

頭から血と脳漿が吹き出し、男はドサッと倒れた。

ズルッと麗弥を掴んでいた手が落ちた。

男は死んだ。

いくら、醜鬼となって通常の人間より丈夫になっていても…所詮は人間がベース。

頭を撃ち抜かれたら死ぬ。
悪魔(ロス)と契約したクロムのようにはいかない。

殺して…しまった……。

麗弥は銃を握っていた手を見てから、ガクッと膝を着いた。

澪「レイちゃん……」

膝をついた、麗弥に澪奈が近付こうと足を前に出した。

麗「……来ないで」

ピタッ

麗弥のその言葉に澪奈は止まった。
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