Devil†Story
麗「…俺は最低だよ…。ずっと、ずっと…姉さんを騙してきたんだ……。さっきの俺の姿、見ただろ…?所詮…俺はあぁいう奴なんだよ……。今だって…結局、こいつを殺してしまった……。しかも、姉さんを傷付けてしまった……!姉さんに合わせる顔なんてない……。だから、触れられる資格もない………」

悲しそうにそう呟く。

麗「恨んでも、罵っても…貶しても…憎んでも構わない…よ…本当に…ゴメン……」

そして、謝った。

きっと、姉さんは俺に絶望している。

あんなに育てたのに、結局こんなことをしてたと嘆いているだろう。

姉さんの顔を見れない。

だから頼むから…早く罵って俺を見捨ててくれ……。
でなければ、辛い。

それに罵ってくれた方が…裏切り行為の罰を受けやすい。

ギュッと目を瞑りながらそう祈る麗弥。

澪「………」

澪奈は黙ったまま、麗弥に近づいた。

そして、壁の方に体を向け、下を向いていた麗弥の手を掴み引き寄せた。

そして……

麗「!」

麗弥を抱き締めた。愛しそうに、優しく…でも、強く。

麗「ねぇ…さん…」

澪「…レイちゃんの馬鹿。無理してないって言ったのに…」

労るように、優しく麗弥の背中を撫でながら澪奈は言った。

澪「恨むわけ…ないじゃない。罵ったり、けなしたり…憎むわけ…ないじゃない…。貴方は私の為にずっと戦ってくれてたのに……。こんなに傷だらけになってまで…私を守ってくれてたんだね…。ゴメンね……辛かったね……」

背中を撫でた後、澪奈は麗弥の頭に手をやった。

澪「さっきだって私が呼び掛けたらいつものレイちゃんに戻ったでしょ?貴方は化物なんかじゃない。銃だって…本当は当たっててもおかしくないのに無意識に私を傷付けないようにしてくれた…。誰が貴方を恨めるのよ…」

そして、麗弥の頭を優しく撫でながら…

澪「貴方は私の自慢の弟だよ…麗弥」

麗「!!」

そう言った澪奈の目から透明な雫が落ちた。
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