Devil†Story
「ハァ…ハッ…」

暫く走って、オレはやっと止まった。

うかつだった…。

壁にもたれ掛かりながら息を整える。

「ハァ……」

そして、また右肩を押さえる。

「………バレて…ないよね」

自分に言い聞かせるようにそう呟いた。

あぁ……本当に……

「…ゴメン…なさい………」

長く息をはきながら、稀琉はそうボソリと呟いた。

その声はか細い声だった。

早く…時間が経てば良いのに……。

そうすれば……。

「……ッ…」

帽子を深く被り直しながら、オレは歩き出す。

早く…刹那の所に行こう……。

刹那になら…全部言える…。

「……」

ギュッと自分を抱きしめながら、オレは刹那が居る談話室に向かった。

走ることに夢中で、談話室から離れてしまった。

刹那……。

オレは急いで、刹那の居る談話室に向かった。
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