Devil†Story
―談話室―

コンコン

「どうぞー」

「稀琉かな?」と思った刹那が、答える。

ガチャッと中に入ってきたのはクロムとロスだった。

「おや、珍しいね。君たちが来るなんて」

刹那は机に肘をつけながら、クロムに言った。

「…稀琉に何があった?」

「!」

クロムの言葉に少し驚く刹那。

「なんで?」

「アイツ…さっき俺とぶつかったんだが、全然平気そうだった。アイツは肩を脱臼して、肋骨を骨折しているはずなのにな」

「………」

黙る刹那にクロムは淡々と告げる。

「まだ1ヶ月だぜ?アレから。アイツが普通の人間なら…あんなに傷が直るのが早いわけ――」

――ガチャッ

「!」

クロムがそう言うのと同時に稀琉が中に入ってきた。

「…稀琉」

クロムが名前を呼ぶと、稀琉は首を左右に振った。

「違う…違うよ、クロム…!オレは…!」

何かに怯える様に、稀琉は必死にクロムに言った。

「稀琉!落ち着いて――」
刹那がそう言うが、稀琉はパニックになっているようだ。

「違うんだ…!オレは…!オレは…!!」

稀琉はずっと首を左右に振りながら、目をギュッと瞑った。

「違う…!違うよ…!」

パニックになっている、稀琉にロスは黙ったまま、近付いた。

「落ち着いて、稀琉」

静かにそう言うと、肩にポンと手を置いた。

「…!!」

それと同時に稀琉は落ち着いた。

稀琉が恐る恐る、ロスの顔を見ると、ロスは微笑んだ。

その様子を見た、刹那がふぅと溜め息をついた。

「…良いんじゃない?稀琉。そろそろ君の体の話をしても」

「!」

稀琉がまた不安そうに刹那を見た。

「な…何、言ってるの刹那――「君は元々普通の人より…体の傷が治るのが早い体質だってさ」」

被せる様に言った刹那の言葉に稀琉は驚いたように刹那を見た。
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