Devil†Story
「こいつトロイから話す間も無く死にやがって」と剣を鞘にしまいながらクロムは悪態をついた。
「聞き出せたよ。お前は少し待つことを覚えろよ」
チラリとクロムが"遊んでいた"男を見ると手の指は全てなくなっており、更に手首足首も切断されていた。出血多量と痛みによるショック死であった。
「うるせぇ。で?何処だよ」
「こっからそんなに遠くないっぽいよ。もう行く?」
「これ以上変に応援呼ばれても面倒だ。さっさと行くぞ。お前が殺したそいつ汚ねぇから玄関開けろよ」
「そう言うと思ってそいつで足場作ってやったんだぞ。背中踏んづけて行けよ」
そうは言いつつ扉を開けてから自身が殺した男の背中を踏みつけて外へ出た。クロムはそれでも近付くのすら嫌らしい。飛び越えて外へ出た。「なんだよ。折角足場作ってやったのに」とロスが扉を閉める。
「お疲れ様です」
それと同時に声を掛けられて見ると先程茶番劇を披露させられた従業員が立っていた。心なしかクロムからは距離をとっていた。
「おつおつ。とりあえずアジトは分かったから行ってくるから部屋の片付けよろしく!めっちゃ汚れてるから!」
ロスは片手を上げながら声を掛けた。
「そんなに汚れてるんですか?」
「確かに防音にも関わらず悲鳴が何度も聞こえましたが…」と少し怯えている従業員にニコリとロスは笑いかける。
「もうめっちゃ派手にやったから覚悟してね〜」
手をひらひらさせながらアジトへ向かう。その後、嫌な予感がしつつ特殊清掃として数人が部屋の中に入って行った。…案の定あまりの惨状に従業員の数名は気分が悪くなり嘔吐する者もいた。その中、涼しい顔で黙々と作業をこなす従業員が1人いたがそれ以外は慣れているはずにも関わらずボロボロになりながら清掃を行っていた。全てが終わり刹那に報告した。報告したのは茶番劇をさせられた従業員で「オーナー!もうクロムさんとロスさんの任務の時に俺を任命するのはやめてください!やめたくなってきました!!」と訴えたのは言うまででもない。
「ここか……」
従業員が地獄の清掃業務をこなしているとはつゆ知らず目的地に着いたクロムは呟いた。男から聞いた場所は町外れの方にある今は使われていない教会だった。
道中に組織のことをロスから聞いていたが、組織の目的自体は下っ端には何も聞かされていないらしい。ただ総じて信者確保の為に拉致監禁をすることも多かったということだった。昼間に行った教会に焚かれていたお香には少量の薬が仕込まれてるそうで、段々と普通に入団した信者も洗脳されていくそうだ。
「そうらしいぜ。まぁ外れにあるから拉致った奴を監禁するには丁度いいもんな」
「中か?」
「あぁ。入ろうぜ」
ギィィィ……
扉はイヤな音を立てて開いた。外の風貌同様に中は荒れ果てていた。扉が開くと埃が中を舞った。
「きたね……」
袖で鼻を覆いながらも足元に目をやる。……埃で足跡が丸わかりだな。埃の上を歩いた足跡が人の出入りがあることを物語っていた。
「こっちだな」
いち早く足跡を見つけていたロスは教壇の近くで俺を呼んだ。
「教壇を動かすと隠し通路が現れるらしい。確かに動かされた形跡があるぜ。足跡もここで途切れてるから間違えねぇな」
教壇の周りには動かされた跡と足跡があった。ロスの言う通り足跡はここで途切れてる。
「きたねぇからお前やれよ」
動こうとしないクロムに「お前なー…」と呆れつつもロスは教壇を跡がついている方向に動かした。教壇は少し押すと下に隠し扉があった。ずらしてみると冷たい風が吹き込んできた。微かにあのお香の匂いが混ざっている。横に地下に続く梯子がある。
「さっさと行くぞ」
「あいよ〜」
カン カン カン……
2人は地下へと続く道に出た。
「聞き出せたよ。お前は少し待つことを覚えろよ」
チラリとクロムが"遊んでいた"男を見ると手の指は全てなくなっており、更に手首足首も切断されていた。出血多量と痛みによるショック死であった。
「うるせぇ。で?何処だよ」
「こっからそんなに遠くないっぽいよ。もう行く?」
「これ以上変に応援呼ばれても面倒だ。さっさと行くぞ。お前が殺したそいつ汚ねぇから玄関開けろよ」
「そう言うと思ってそいつで足場作ってやったんだぞ。背中踏んづけて行けよ」
そうは言いつつ扉を開けてから自身が殺した男の背中を踏みつけて外へ出た。クロムはそれでも近付くのすら嫌らしい。飛び越えて外へ出た。「なんだよ。折角足場作ってやったのに」とロスが扉を閉める。
「お疲れ様です」
それと同時に声を掛けられて見ると先程茶番劇を披露させられた従業員が立っていた。心なしかクロムからは距離をとっていた。
「おつおつ。とりあえずアジトは分かったから行ってくるから部屋の片付けよろしく!めっちゃ汚れてるから!」
ロスは片手を上げながら声を掛けた。
「そんなに汚れてるんですか?」
「確かに防音にも関わらず悲鳴が何度も聞こえましたが…」と少し怯えている従業員にニコリとロスは笑いかける。
「もうめっちゃ派手にやったから覚悟してね〜」
手をひらひらさせながらアジトへ向かう。その後、嫌な予感がしつつ特殊清掃として数人が部屋の中に入って行った。…案の定あまりの惨状に従業員の数名は気分が悪くなり嘔吐する者もいた。その中、涼しい顔で黙々と作業をこなす従業員が1人いたがそれ以外は慣れているはずにも関わらずボロボロになりながら清掃を行っていた。全てが終わり刹那に報告した。報告したのは茶番劇をさせられた従業員で「オーナー!もうクロムさんとロスさんの任務の時に俺を任命するのはやめてください!やめたくなってきました!!」と訴えたのは言うまででもない。
「ここか……」
従業員が地獄の清掃業務をこなしているとはつゆ知らず目的地に着いたクロムは呟いた。男から聞いた場所は町外れの方にある今は使われていない教会だった。
道中に組織のことをロスから聞いていたが、組織の目的自体は下っ端には何も聞かされていないらしい。ただ総じて信者確保の為に拉致監禁をすることも多かったということだった。昼間に行った教会に焚かれていたお香には少量の薬が仕込まれてるそうで、段々と普通に入団した信者も洗脳されていくそうだ。
「そうらしいぜ。まぁ外れにあるから拉致った奴を監禁するには丁度いいもんな」
「中か?」
「あぁ。入ろうぜ」
ギィィィ……
扉はイヤな音を立てて開いた。外の風貌同様に中は荒れ果てていた。扉が開くと埃が中を舞った。
「きたね……」
袖で鼻を覆いながらも足元に目をやる。……埃で足跡が丸わかりだな。埃の上を歩いた足跡が人の出入りがあることを物語っていた。
「こっちだな」
いち早く足跡を見つけていたロスは教壇の近くで俺を呼んだ。
「教壇を動かすと隠し通路が現れるらしい。確かに動かされた形跡があるぜ。足跡もここで途切れてるから間違えねぇな」
教壇の周りには動かされた跡と足跡があった。ロスの言う通り足跡はここで途切れてる。
「きたねぇからお前やれよ」
動こうとしないクロムに「お前なー…」と呆れつつもロスは教壇を跡がついている方向に動かした。教壇は少し押すと下に隠し扉があった。ずらしてみると冷たい風が吹き込んできた。微かにあのお香の匂いが混ざっている。横に地下に続く梯子がある。
「さっさと行くぞ」
「あいよ〜」
カン カン カン……
2人は地下へと続く道に出た。