やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「サブさん、意見もないなら、組長や真木さん以下ですよ。」
私は、サブを冷たい目で見つめた。
「ううう・・・すいません。」
サブは、悲しそうな表情で落ち込みながらイスに座った。
「容赦ないな、小夜のヤツ。」
「そうだな。」
組長と真木ヒナタが、小声でヒソヒソ話をする。
「そこ、意見もないのに私語しない!」
しかし、私は、すぐさま注意した。
「す、すいません。」
素直に謝る組長。
バタンッ
その時、部屋にポチが入ってきた。
「あれ、皆さんで何されてるんですか?アッシも交ぜてくださいよ。」
場を読めないポチ、満面の笑みを浮かべていた。
「今は、大事な話の途中ですから、出て行ってください。」
私は、冷たくポチをあしらう。
「え~アッシにも、大事な話教えてくださいよ、小夜姉さん!・・・ってそういえば、アッシにも大事な話があったんですよ。」
「後にしてください。」
「え~、今でいいじゃないですか!実は、アッシ、昨日、商店街の福引で2位の高級フレンチレストランの無料お食事券が当たったんですよ。」
ポチは、うれしそうにポケットから無料お食事券を取り出した。