やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「りゅ、龍一さん?」
どうにか声を絞り出す私。
「・・・・小夜さん。辛いかもしれませんが、頑張ってくださいね。小夜さんを外に出す私も辛いんです。ですが、ここは、心を鬼にして、小夜さんが、お金の管理の仕事を覚えることが出来るように、あえて、ヒナタさんと大和につけるのですから。」
「・・・・エッ?私、火事の罰で追い出されるんじゃないんですか?」
執事の予想外の言葉に動きが止まる私。
「そんなわけないじゃないですか、小夜さん。小夜さんの勉強のために、無理して外にだすのですよ・・・・私にとっては、心を引き裂かれる気分ですが・・・・」
本当に悲しそうな執事。
「りゅ、龍一さん!」
私は、力いっぱい執事とハグをした。
「あの二人は、お金の使い方を知りませんから、小夜さんが、お金の管理をするんですよ。」
私の耳元で執事がささやく。
「・・・・はい。私、頑張ります。」
私と執事は、しばらくそのままハグをしていた。
「入るぞ~!小夜~準備できたかぁ~!」
いきなり、サブが部屋に入ってきた。
驚いて、距離をとる私と執事。