やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「あっ、執事さんもいらっしゃったんですか!し、失礼しました。」
サブが、執事の姿に気づき、驚いて頭を下げる。
「い、いえ、もう話は終わりましたから・・・・ところで・・・」
執事は、サブの目の前まで歩いていって、立ち止まる。
急な執事の接近に直立不動の姿勢になるサブ。
「サブさん・・・アナタは、小夜さんと守るためだけに一緒に行ってもらうのですから、もし、小夜さんの身に何かあったら・・・・今度は、本当に殺しますよ。」
一切の笑いのない表情で言い切る執事。
「は、はい。今度こそ、何があっても、小夜を守ります。」
サブも真剣な表情で答えた。
しばらくの間、サブの表情を見る執事。
サブも真剣な表情で執事を見つめていた。
「・・・いいでしょう。今は、信じるとしましょう。」
執事は、納得したようにサブから目を離した。
「それでは、小夜さん、もし、あったら、すぐに私のところに来るんですよ。」
「はい。・・・・でも、出来るだけ、自分で頑張ります。」
私は、執事が入ってきた時とは違い、満面の笑みを浮かべて執事を見た。
執事は、その私の表情に安心したように、部屋を出て行った。